第60話 初めての宇宙旅行 3話
20秒ほどしてからドンが俺の膝から離れる。その間レイナが嫉妬の様な目線を向けていた。
そして次に俺の番が回ると俺はボックスに手を入れ無造作に一枚の紙を手にした。
「......隣の相手の手を10秒握る」
仕方ない!すまんドン!
俺はダイスと同じく消去法でドンの手を優しく握る。
「えへへへへっ」
照れ笑いするドン。俺の隣のレイナは何故かもじもじしながら儚げな眼差しを向けていた。と言うかマジでここの男子連中、ホモ疑惑急上昇中では!?レイナはともかくキャンシーなんて眉間に皺が寄り始めてるよ!
「変わった殿方たちが多いのですね」
違うんだキャンシー!こういう場合は気を使ってるんだーーーー!
そんな切実な思いを心で叫ぶが意味をなさず、10秒が経過し俺はドンの手を離した。
「で、では次は私ですね」
レイナの番に回りボックスに手を伸ばす。レイナがモジモジしていたのはなんでだろう。
ホモ疑惑ではありませんように......。
「私への命令は......可愛いキメポーズを取る。えっ、こんな事を!」
大きく一息を吐き立ち上がるレイナ。そしてキラーんと言う効果音が付いたかのようなキメポーズを取った。お尻を突き出し腰に手を当て、ウインクをしながら横目にピースをする。ぶりっ子アイドルがしそうなポーズだった。
「うぅぅぅーーー」
余り物恥ずかしさに泣き崩れるレイナ。俺たちはその雄姿に拍手を送った。
「いいねえ。盛り上がって来たさ!じゃあ一周回って私の番さ。どれどれ」
ダイスはボックスからガサガサと音を立てながら一枚の紙を手にした。
「愛の告白をする」
そう言うとダイスはシルビーに熱い眼差しを向ける。......まさか。
「シルビー。私と結婚してくれ」
やっっぱりーーーーーー!
「なんでそうなるんだい!しかもなんで結婚!?」
酷く取り乱すシルビー。しかし何故か場は大いに盛り上がる。がキャンシーは相変わらず眉間に皺を寄せている。
ホモ疑惑は払拭しそうに無さそうだ。主にキャンシーに対しては......。
「言ったはずさ。消去法、消去法。」
「男に対して良い体なら一君やドン君がいるじゃないか!」
「まあまあ、ほら気を取り直して次に行こうよ」
俺はシルビーを宥める。
「はあー。じゃあ次こそは......」
大きく一息吐き紙を手にし、それを開いたシルビーは何故か固まっていた。......まさかまたですかい。
「好きな人に告白する。......だから無理なんだって!そもそも好きな人がいないならこの場での現実的な命令じゃないよね!?」
「いや。この場合は現時点でこの場で好きな人、つまり友好関係が一番深まっている意味でもいいと思うよ。そしてそれを投げ出したシルビーはアウト。さあ黄色いカードも伏せるのさ」
シルビーがダイスに抗議するがそれも虚しく却下され、シルビーはしくしくとした面持ちで黄色いカードを伏せた
「では次はわたくしですね」
キャンシーはゴソゴソと音を立てながら無造作に一枚の紙を手にする。
「歌を披露するですね。では一曲」
立ち上がったキャンシーはその場で歌い始める。オペラだった。それにしても何とも言えない美声だ。高い声でいて綺麗で透き通っている。神聖で満ち溢れているような美声だった。




