第59話 初めての宇宙旅行 2話
このゲーム。要望て言うか命令だよな。
「ちなみに不参加は認められないさ。もし不参加な場合、搭乗代として一人一億だからね」
「あのダイス様。それは本気ですか?」
「レイナ様。ダイスはこう言ういたずらに関しては今まで曲げた事がありませんので無理ですよ」
微笑しながらこの状況を楽しんでいるダイスに俺はやや呆れてしまう。
「こうなったらお前をふん縛ってルクシス星に行ってやる!」
ドンが今にでもダイスに飛びつきそうになっている。
「そうなったら私は口を閉ざすさ。なんだったら試してみる?」
にっこりと微笑むダイスはドンを煽る。
「やめようドン。諦めてゲームに参加しよ。それに俺たちはダイスに頼んでいる身だしさ」
「くっそーーーーー!」
悔しそうに地団駄を踏むドンにダイスは口を開けて笑っていた。
「それじゃみんな座って。ちなみに命令に関してはこの場で叶えられる現実的な物に限定するからさ。そして命令に従えなかった者は青、黄色、赤の順に一枚づつ裏返していき三回命令に背いた者が負けだからさ」
ほらっ、命令て言っちゃてる!
俺たちはダイスの指示に従いテーブルを囲うように、ダイス、シルビー、キャンシー、ドン、俺、レイナの順に並ぶ。そして各々が白紙の紙に命令を書いていく。
「それじゃあ始めようか。まずは言い出しっぺの私からさ。どれどれ......『隣の人の1人にキスをする』チュッ!」
ボックスから無造作に引いた紙を見てダイスはなんのためらいもなくシルビーの頬に軽くキスをした。
「うわああああああ!ダイスゥゥウウウ!!」
酷く取り乱しながら腹の底から絶叫するシルビー。その光景に俺たちも気が動転していが、ドンだけが腹の底から高笑いを上げていた。
シルビーは大慌てで頬を強く擦りその隣でニヤニヤするダイス。
「なんで僕なんだい!?」
「まさかレイナ様にする訳にもいかないだろ。消去法で考えたら君しかいないさ」
なんか妥当な気がする。
「なら次は僕だ!」
シルビーは何故か気合を入れボックスに手を伸ばす。......分かる気がする。
「この場で好きな人の名前を言う」
......シルビー可哀そう。
「......駄目だ!僕はこう言う恋バナ苦手なんだ!」
あっさり命令に背くシルビーは悔しそうに青いカードを裏返した。
「次はわたくしですね」
キャンシーは平静な姿勢でボックスに手を伸ばす。
「一発ギャグを披露する。では......コホン......お玉がオッタマげたーーー!!」
キャンシーさんや!それはダジャレなんですが!......。でもまあ、笑いの視点だしいいのかな。
しかしその場の誰もが笑わず静まり返っていた。
「......うぅぅ」
キャンシーは赤面しながら嗚咽を漏らすようにテーブルに顔から崩れ落ちていった。
「よし!んじゃ引くぜー―!」
ドンは元気よくボックスに手を突っこむ。何が引けるか楽んでいた。
「なになに、隣の1人に膝枕をしてもらう。ほっっ!」
勢いよく俺の膝に叩きつけるに近いレベルで頭を置くドン。普段の素行からは考えられない程、愛くるしい顔のドン。まるで子猫だ。
別に良いんだけどさ。ダイスの件と言い、このままじゃ女性陣にホモ疑惑を植え付けてしまいそうでそれが怖い。それだけは勘弁!




