第52話 メカ化の恐怖 4話
シルビーは手帳にもう一度目を通し俺たちに視線を向ける。
「ちょっとこのメカ化について話させてくれ。実は外に居たメカ動物たちは元は普通の動物で穏やかに暮らしていたらしい。しかしこの手帳によると何者かが機害を盗み外に散布したらしい。そして外に放たれた機害は動物たちに寄生しメカ化していったそうだ。メカ化した者はどんな生物にも関係なく狂暴化し奇勝が荒くなると言う」
俺はそこで不とした疑問が過る。
「じゃあなんで俺たちは外では無事なの?それに町の人たちにも異常がないし、ここの家で機害に寄生された後に外に出ればメカ化するとか辻褄が合わないんだけど」
「それには訳があるんだよ。外の様な自然の外気は機害にとっては猛毒らしくてね。長時間の活動や長距離に渡る移動も不可能らしい。この機害は何者かが作りそれが盗まれた挙句、未開発の段階で外に放たれた。その機害たちに感染されたのがさっき外にいたメカ動物たちと言う事だ。そしてさっきの家にいる機害は遺伝子を組み替えた新種らしくてね、今の僕たちは外の外気に触れると転化してメカ化するように再度、開発したらしい。なんでこんな事をしたのやら、僕には理解できないね」
ここにはこう書いてあると主張するように、手帳を軽く叩くシルビー。
「でも一日ここに居たとしてもまたあの家の中に戻るんだろ。おまけに外にはまだメカ動物たちが居るし、どうする?」
ぼやく様に言うドン。
「そこは僕の転移魔法でなんとかなる。頃合いを見計らって一度ブラスタに戻ろう。それともう一つ、機害に感染されメカ化した者は痛みという物に強い体制が出来るから倒すなら先程の様にバラバラにするなどして再起不能にするしかないんだ。大変だと思うけどみんなでこの危機を乗り切ろう」
シルビーが俺たちの不安を和らげればと思い笑顔を浮かばせる。
「とにかく休息も必要ですしね」
そう言うとレイナが後ろの壁際まで下がると足元からカチッとスイッチを押す音が聞こえて来た。
ゴゴゴゴゴゴゴッッッ!
なんとレイナの隣の壁が横に開き更に地下に続く階段が現れたのだ。
またですか!レイナ様や!
「レイナ!お前またかよ!」
俺の心の内を代弁するかのようにドンとユニゾンしてしまう。みんなそう思ってるんだろうなあ。
「そ、そんな」
開いた先の地下に続く階段を見てレイナは自分でもまたかと思い膝から崩れ落ちていた。
「そんなに落ち込むことはないよレイナ。ほらっ、さっきだって家から地下に続く階段があったからこそ今の俺たちは一歩、先に進めたんだよ。だから次もなんとかなるよ」
「そうですよレイナ様。さあそんな所に膝を付けずこちらに」
俺とキャンシーがレイナを励ましキャンシーがレイナの手を握る。
「でも先に進むとしてもまずは一日、経過してからだね。その先が外とも限らないし」
シルビーは俺たちに念を押すように呼び掛ける。
「よっしゃあーー!行くぞー―!!」
しかしドンは俺たちが呼び止める間もなくシルビーの説明も聞かずに、地下の階段へと疾走していった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
メカ化の恐怖はここで終わります。
次回もよろしくお願いします。




