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君の為の進行劇  作者: ラツィオ
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第51話 メカ化の恐怖 3話


 そんな俺たちの周りでは今も尚、メカ動物が家を掻きむしる音や咆哮が鳴り響く。


 「皆様。この先は安全です!さあ早く!」


 キャンシーが骸骨を手にしたまま言っていたが何か説得力の無さを感じるのは気のせいなのだろうか。


 そんな事を思いながらも俺たちには選択の余地など無く地下に下りる。レイナに至っては梅干しの様な表情で足を震わせながら進んでいた。俺たちが中に入ると扉は自動的にしまった。更に警戒する俺たち。


 下りた先は地下道となっていて薄暗くはあるが小さな常夜灯の物がいたる所に設置されていた。まるで今も誰かが住んでいるかのようにも思える。地下道を進んでいくとその先には大きな扉があった。


 「あの扉の前にこの骸骨があったのです」


 それはそうとそろそろその骸骨下ろしてくれないかな。レイナを見て見なよ。小鹿の様に震えながら歯を食いしばって進んでるよ。


 扉の前にはキャンシーが手にしている頭部の骸骨の残りのパーツが横たわっていた。そして頭部を元の位置に、お供えをするような優しいい手際で戻すキャンシー。


 「この扉の先はまだ確認しておりませんのでお気をつけてください」


 扉の前で身を引き締めた俺は先行してその扉に手を当てゆっくりと押す。


 開いた先はこれもまた薄暗く常夜灯が幾つか設置されており、小部屋ほどの空間で本などが乱雑で棚に並ばれていた。


 「なんだよただの本か。なんか拍子抜けだな」


 シビアなイメージを期待していたドンは気落ちしていた。


 「そ、それにしても亡骸の先が本で溢れ返ってるなんて......ゆ、ユートピアですね。オホホホホ」


 それほど本の数は多くないんだけど、骸骨の後に本だけがある状況はホラー嫌いのレイナにとっては楽園なのかも。


 「色んな本があるね......ん、これは?」


 俺たちが本棚を眺めているとシルビーがとある一冊の本に注視する。何故か一冊だけ手帳が紛れ込んでおりシルビーがそれを手に取る。


 シルビーがその手帳を1ページ、また1ページと捲っていく。


 「シルビー、一体なにが書いてあるの?」


 俺は生唾を呑む思いでシルビーにゆっくりと話しかける。


 「......僕たちは......死ぬかもしれない」


 「ええええーーーーーーー!!!」


 俺たちは引っくり返る勢いで驚愕する。


 「ごめんごめん、さすがにちょっと比喩すぎたかな。この手帳を読む限りだと僕たちはこのコテージに入った瞬間に機害(キガイ)というナノマシンが体内に入り込みその状態で外の外気に触れると人ではなくなりメカ化すると言う事だ」


 えっ!全然違和感なかったんだけど!?


 「ただのいたずらと言う事は無いのでしようか。俄かには信じられませんし」


 キャンシーが不安そうに首を傾げる。


 「いや、こんな地下室にいつ誰が来るかも分からない状況でこんな悪戯をする意味はないだろう」

 「だとしたら私たちは外に出た瞬間、機械人間になると言うことですか?」

 

 レイナが萎縮しながら自分の両手を眺めていた。俺も今までそんな違和感すら感じなかった事に戸惑ってしまう。


 「大丈夫。この手帳によると丸一日、外に出なければ機害は死滅するらしい。それに一度、機害が体内に入り込むとそれ以外の機害は同種族には入り込めないらしい」


 て事はここで丸一日、過ごさなきゃならないって事か。


 「えーー!ここで丸一日も缶詰かよ!」


 ドンは不承不承な面持ちでそう答えた。

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