第46話 機械の都市
「俺の目的はこの世を統治し新たな神話の生きる伝説になる事だ。その為には新王が目障りなんだよ。いずれ貴様ら諸共この世から消してやる」
ゼファイアの強烈な敵意と言葉が俺たちの意識に根強く刻み込んでくる。それを聞いた俺たちは互いの顔を見合わせ額に汗を滲ませる。
「とにかくだ。今大会の出場ご苦労であったな。ではまた会おう。会場の諸君らも大いに満足した事であろう。イレギュラーと言う者は君たち人間の好奇心の蜜であろうからな。これにて武舞台は終焉だ。さらばだ!」
観客たちは少し動揺していたが、ひとりが拍手をするとそれに続きポツポツと拍手されていく。やがて全観客が盛大な歓声と拍手を上げていた。
ゼファイアは扉に向かい俺たちの前から姿を消した。そして武舞台は幕を閉じたのだった。
「......これからどうする」
少しばかりの間を先に割って口にしたのはドンだった。
「そうだな......キャンシーはこれからどうするの?帰る場所はあるの?」
俺はキャンシーの今後が気になり不とした疑問を聞いてみた。
「私はいちど故郷に帰ります」
「ならそこまで送って行こう。あんなネジの飛んだ観客たちと飛行船で搭乗するのは同情するからね」
キャンシーにそう提案するシルビー。
「えっ、ここ飛行船なんてあったの?」
俺は新たな新情報に肩をピクンと跳ねらせていた。
「この星々を運行するのには当然、飛行船は必須だしね。観客たちが帰りの便についても話してたよ」
「申し訳ありませんがよろしくお願いします。それから今更で大変恐縮なのですが皆様方のお名前は?」
シルビーの提案を受理したキャンシーはクエスチョンマークを浮かべながら俺たちの顔を見てくる。
「私はレイナ・ロンドと申します。よろしくお願いしますねキャンシーさん」
「俺はドン・シルバーだ。まあよろしくな」
「僕はシルビー・クラウンだ。道中よろしくね」
「改めまして皆さま、私はキャンシー・ピーク。このような未熟なメイドをお助け頂きありがとうございます。それから重ね重ね申し訳ありませんが移送の方もよろしくお願いします」
深々と俺たちに頭を下げるキャンシーに俺は歩み寄るり手を伸ばす。
「じゃあ改めて俺は東条一。よろしくなキャンシー」
「よろしくお願いします。一様」
キャンシーは俺の手を強く握ると場の空気が暖和に包まれていった。
大勢の観客たちが帰っていくと俺たちも動き出そうとしていた。
「それでキャンシーの行きたい所はどこなんだい?」
「ブラスタです」
それを聞いたシルビーはコクリと頷く。
「それじゃ行くよみんな」
シルビーのテレポートで俺たちはキャンシーの指定した星、ブラスタに向かうのだった。




