第44話 宣言、次なる破壊者
イザベルの攻撃で横たわるキャンシーに追い打ちを掛けるようにイザベルが手を掲げるとキャンシーを引力の様に身体をグンと退きつけ首を鷲掴みにする。
首をがっしり掴まれたキャンシーは息苦しい嗚咽を口から漏らしていた。
「うっ、うぅぅぅ」
「このまま首の骨をへし折ってやる!ヒャハハハハハハッッ!!」
悪魔のような面持ちでキャンシーの首を握りしめていたイザベルは愉快さを露わにしていた。
「やめろーーーーー!!!」
身動きが取れず何もできない俺はただ、ただ無力な自分を嘆きながら叫喚する事しか出来なかった。
しかし俺の叫喚に応えるかのように俺の視界に瞬足な影が横切る。
ドカッ!
「ぐはっ!」
その影はイザベルの頬を強く打ち付けキャンシーがイザベルの手から解放されその場で倒れ込む。
「このゲス野郎!無抵抗な女を傷つけてゲラゲラ笑いやがって、気色悪いんだよ!」
その影の正体はドンだった。果敢に、この窮地の壁を叩き壊したのだ。
「大丈夫かい一君!?」
「一!!」
ドンに続いて乱入してきたのがシルビーとレイナだった。
「これは捕縛のプロフェッショナルと言われているホバゼリーだ。中からだと解けないけど外からならなんとかなる」
「シルビー様、どうしたらいいのです!?」
「......腕力で引き剝がすしかないんだ」
これは当分時間がかかると思った俺は不安な表情で横たわるキャンシーとイザベルの前に立つドンを視界に居れる。
「そんな顔すんなよワン兄。大丈夫。ここからは俺がやる!」
ドンの剛胆な力強い目が俺に向けられる。俺はそれを見て少しホッとし微笑した面持ちでコクリと頷く。
「おいガキ、この俺様の生身に気安く振れた代償はてめえのちんけな命ひとつじゃ足りねえぞ」
「だまれ、もう二度とそんな口きけねえように、神経ズタズタにしてやる!」
そういうとドンは目の前で消える程の瞬足でイザベルの蟀谷に蹴りを入れ俺たちから離れた距離まで吹き飛んだ。
「くそっ、このガキ!」
更に追い打ちを掛けるように体制を整える前のイザベルにまで瞬足で駆け抜けるとバッチンの構えを取りだす。
「くらいやがれええええ!!!」
バチッバチッバチッバチッバチッバチッッッッ......
「ぐあああああああぁぁ!!」
途切れる事のないバッチンは正に凶器その物だった。イザベルは20発以上のバッチンをその身で受け悲痛な面持ちで咆哮の雄たけびで泣き叫んでいた。
「も、もう......やめて......く......れ」
生気を失われたようなイザベルの疲弊しきった表情は目の視点も定まらず抜け殻のようだった。
ドサッ!
そしてその場で口から泡を吹きながら頭から地面に倒れるイザベル。ドンの秒殺だった。




