第42話 閃光の美少女メイド 3話
(ピリオド!一体どんな能力!?)
《使えば分かる......さあ、もうお主に渡したぞ。存分にあの女にご奉仕されるが良い》
(意味合い変わってるから!ちょっとラムダーーーー!)
いきなり慌てふためく俺を見てキャンシーは目を点にしていた。
「何があったかは分かりませんが、そろそろ行きますわよ。そして次は本気で行きます」
更に蓄電したキャンシーの身体からは電流が流れ出てバチバチと激しく音を鳴らしていた。
とにかく俺は冷静になるために両手で頬を叩く。そして目の前にいるキャンシーに意識を集中する。
俺の前で音も無く再び消えるキャンシーは先程以上にスピードが上がり俺は完全にキャンシーを見失っていた。スピードが上がった分、拳などの威力も桁違いに上がっていると予想する。どうせ見ても何も分からないと思い俺は目を瞑り、ラムダから享受されたと思う感知能力に結び合わせるイメージをした。それは何も考えない事だった。すると俺の頬に何か違和感が張り付いているような感じがした。
ドカン!!
その直後、張り付けられたような違和感から感じる激痛が俺を襲う。俺は15メートルまで殴り飛ばされた。
痛みに耐えすかさず俺は体制を立て直す。
そう言えばラムダは『ご奉仕されろと言っていたけど殴られる直前にさっき見たいな違和感が張り付いていたのは殴られる個所が予測できる能力なのか?
そう思った俺はもう一度目を閉じキャンシーの前で身構える。
「学習いたしませんのね。まあどちらにしても見えないのであれば対策の使用がありませんし、無理ありませんね」
挑発するキャンシーの言葉に俺は耳を傾けず次なる一撃の違和感が身体のどこかに張り付くのを待つ。
――そして来た。今度は俺の腹部にその違和感が張り付いた。つまり次は腹部に攻撃がくると言う事だ。
キャンシーの攻撃に合わせ俺は手の平で受けの防御態勢に入る。そして予想は的中した。直後キャンシーの拳が俺の手の平にヒットする。俺はすかさずキャンシーの拳を握りそのまま一本背負いで地面に叩きつけた。
「ぐはっ!」
俺はすかさずキャンシーの背後を抑え込み腕挫手固を決める。
「負けを認めろよキャンシー!」
「誰が認めますか。これでも食らいなさい。放雷!」
キャンシーの放雷は辺り一面に電流を放ち俺の身体を攻撃する。
「うわあああああ!!」
感電する俺は歯を食いしばりながらもその攻撃に必死に耐えていた。
「貴方こそ負けを認めなさい!そんなやり方では貴方が死にますよ!」
「い......いや......だ......俺は......勝つ。それに君は悪人じゃないし......こんなふざけた大会で死なせてなるものかーーーー!」
ほんと何やってんだろ。自分が死ぬかも知れないのにさ。
「......一様」
キャンシーがぼそりと呟いたその直後、放雷が止まった。
「えっ?」
放雷が止まると俺の動きも静止する。そのままポカンと口を開け抑え込んでいたキャンシーを解放するると立ち上がったキャンシーは儚い瞳で俺の方を振り返る。
「本当に甘ちゃんですね。一様が私を抑え込みで勝とうと思ったのは私の先の身を案じてくれたからですね」
「もし君を殴って気絶させて俺が勝ったらイザベルが無抵抗の君を殺す。そんな事させられない。君が俺をどう思おうが俺は君を助けたいんだ」
「......私の負けですわ」
「えっ!今なんて!?」
突如、敗北を宣言したキャンシーに俺は困惑する。
「私の負けと言ったのです。先程の私の攻撃を貴方様がカウンターで合わせれば私は負けていました。スピードが向上している分その反撃の反動は普通の比ではありませんから。ですがその前に」
3秒程の間が開くと俺の頬に違和感が張り付く。そして......
パチンッ!!
会場全体に弾ける音が木霊するように鳴る。キャンシーは平手打ちで俺の頬を打ったのだ。
ヒリヒリと痛み出す頬を抑えながら俺は思考が止まる。そしてそのままキャンシーを見つめていた。
「いいですか一様。戦いの場において相手への恩情は侮辱に当たります。ましてや私は女、そんな私から見てすれば貴方の厚意は最悪の一言です」




