第40話 閃光の美少女メイド
「呆けてる場合じゃねえぞ!トウジョウハジメ!!てめえはこのまま二回戦目を迎えるんだ!」
「それじゃ勝ち抜き戦て事だろ!俺はそんな話聞いてないぞ!」
「そんなの知るか!この大会の主催者はゼファイア王だ。お前はこの大会にいる間はゼファイア王の手の平に居なきゃ行けねえんだよ!断ればどうなるか分かってんだろうな?」
そうだった。俺が断ればどれだけの星が危機に見舞われか想像がつかない。
漆黒の覇者の見えない牙が俺の喉元に当てられるような感覚に、俺は襲われていいた。
「そんじゃさっさとおっぱじめるか!次の相手はこいつだ!戦うメイド!キャンシーーー!ピーーークーーーー!」
相手側の入場ゲートから白いスモークが噴出されると、その中から一つの影が飛び出した。上空へと高らかと飛び上がり、くるりと一回転し地上へと降り立つ。
そこに現れたのは気品を兼ね備えた顔立ちに、おっとりとした瞳、三つ編みの髪のメイド服を着た女性だった。
「初めまして一様。この度、貴方様のご奉仕をさせていただくキャンシーピークと申します。以後お見知りおきを」
スカートを摘まみ上げ上品に挨拶をするキャンシー。日本人の顔立ちをしてるのに欧米ネームに少し違和感を感じる。
「君にも生前があるんだろう?向こうじゃハーフだったの?」
「はい。父がアメリカ人で母が日本人です」
俺の素朴な疑問に、にっこりと微笑むキャンシー。
「おいおい、大会前に乳繰り合ってんじゃねえぞ!これからどっちかが死ぬんだからなあ!」
「どこが乳繰り合ってんだ!それからなんで大会で負けたら死ななきゃならねえんだ!?」
「何度も同じこと言わせんな!ゼファイア王の移行なんだよ!」
噛みつく様に喋りかけてくるイザベルに俺は不快感を表していく。
「いいではありませんか。武舞台をテーマにした大会ならシンプルなルールですわ」
「どこがシンプルなんだよ!本来の武舞台は聖地でもあり誰もが楽しむための遊技としても扱われてるんだぞ。それがなんで負けたら死ななきゃならないんだ。それにさっきの守って奴にも恨みがあったわけじゃないのに......こんなの......」
俺は苦痛な表情で奥歯を噛みしめるとキャンシーは瞳を閉じ何かを思案していた。
「甘ちゃん......いえ、この場合はお人好しと言うべきでしょうか。どちらかが負けてしまえば死ぬと言うのに、貴方は既に対戦相手の身を案じている......ええ、やはり甘ちゃんですね。一様は」
キャンシーは覚束無い表情で、ため息を吐き捨てる。
「何が甘ちゃんだよ。死んだ相手の屍を跨いだその先に一体なにがあるんだよ?君は本当にそれでいいのか?」
「一様はこの大会の花なのでしょうが、私たちは違います。私はもちろん、先程の守様にも、深いいきさつがあります。一様の目測だけが全てでがないのです。どうか私たちの気持ちを察してください」
ただただ、キャンシーの切ない声に俺は耳を傾ける事しか出来なかった。




