第35話 開催!異世界人トーナメント! 5話
「一。これからは今まで以上に私の隣に居てください。ですから無事に帰ってきてくださいね」
「えっ!それって?」
レイナの言葉のニュアンスからして俺はまさかの愛の告白かと脳内変換していた。流石にボッチで恋人の居なかった人生。更に加え思春期、真っ只中な現在の俺には致し方ない事象とも言えるだろう。
「もっ、もちろん仲間として、友人としてです!」
レイナは真っ赤に赤面し、慌てて言葉を修正する。それを聞いた俺もほとばしる程、赤面していた。
「わ、分かったよ!それじゃあそろそろ行ってくるね」
「えっ、あ、はい、お気を付けて」
俺たちはぎこちなく思いの丈をごまかすように、別れの言葉を告げると互いに背を向き蒸発しそうな赤面したままの顔で歩き出す。
「もうよろしいのですか?」
「うわっ!ビックリした!」
案内人の女性は目を瞑り静かに静止していた。俺はそれに気付かず飛び跳ねるように驚く。するとその女性は耳から耳栓をポンッと抜きとり、俺に向け親指をグッと立てる。
きずかってくれた!おまけに内心めっちゃユニークだこの人!!
「では一様こちらへ」
「は、はい」
かなり恥ずかしかったがなんとか平静を保ちながら女性に付いていく
5分ほど歩き続けると巨大な両開きの門が見えてきた。どうやらあの先が俺のステージらしい。
「この先が試合会場になっております。そのまま少々お待ちください。時間になりましたら、そこのスピーカーからアナウンスされますので」
俺は女性に軽く頷いた。それから更に3分ほど経った。その最中俺の心臓の鼓動は今までにない程の高鳴りを慣らしていた。自分でもこんな展開になるなんて思ってもいなかった。ましてや新王の椅子が懸かった大事な局面と言う大舞台に俺が立っているなんて、昔の俺だったら考えもしなかっただろうに......
「大変お待たせいたしました。今宵、始まる宴は我らが王、ゼファイア王が開催いたしました武舞台でございます。皆様、存分にご堪能ください!」
スピーカーから流れた聞き覚えのある声は大会の司会者と思われるイザベラだった。
俺は一度大きく深呼吸をし気持ちを落ち着かせた。
「では入場していただきましょう。ライトコーナーからの入場でーす!トウジョウーーハージーメーー!!」
両開きの門が地響きのような音を立てて左右に開きだす。眩いスポットライトが俺の前を照らし出され観客の歓声が鼓膜を突き破るんじゃないかと思うほど響き渡る。
「一様。どうかご武運を」
「うん、ありがとう」
案内人の女性は頬を緩ませ親指をグッと立て俺に向ける。俺も全く同じ仕草で女性に応える。そして俺は心を揺さぶられながらも決闘の舞台へと歩き出す。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回からはタイトルが変わりますが、異世界人トーナメントはまだまだ続きますので、よろしくお願いします。




