第32話 開催!異世界人トーナメント! 2話
俺の答えに全員の神妙な表情が向けられる。
「すまぬ一よ。現状お主に頼むしか手が無いのだ。不甲斐ない私で本当にすまぬ」
新王は俺に向け深々と頭を下げると、俺とシルビーとレイナは一驚していた。
「大丈夫です!前よりも強くなってますし、何とかなると思います」
「むっ、そう言えば一よ。お主、以前と比べて気が余り感じないが、何かあったか?」
そう言えば、新王にはラムダの事や俺の超気の事は言ってなかった。なので久しぶりにラムダを呼ぶことにした。
(ねえラムダ、ちょっといい?)
俺は心の声で内に眠るラムダを呼び掛ける。
『......』
しかしラムダは無言だった。
(もしかして緊張してる?)
『そ、そんな訳あるはずもなかろう。今しがたまで寝てただけよ!』
本当に寝ていたかは置いといて俺の呼びかけにようやく反応したラムダ。ラムダの声が俺の脳に直接響き渡る。
(皆に改めてラムダの事を紹介したいんだけどいいかな?)
『一よ!貴様正気か!?超王であるこの我を現世に呼び起こそうと言うのか!?』
確かに超王を人前に紹介するのは安易ではあると思うけど、単に恥ずかしいのもあるのかもしれない。そう思うとラムダの言葉が少し仰々しく思えてしまう。でも流石に600年も人と触れていないとなると4人の前に顔を出すのはハードルが高いのかもしれない。
(分ったよラムダ。少しづつ慣らしていこうね)
『まて一よ!何を慣らすのだ!?まてーーー!』
俺は思わず人見知りだと言うニュアンスを含めた気づかいをしてしまったが、気に留める事もなくラムダとの会話を遮断した。とりあえず新王に俺の超気とラムダとの経由を話した。
「それは誠か!?確かに一からは未知な何かを感じるな。そうかラムダ様が」
さすが新王。漠然ではあるが俺から超気を感知していた。しかしドンがそれとは別に何故か思い耽ていた。
「そう言えばさ、異世界人トーナメントってどこでやるんだ?」
ドンの言葉に俺たちは互いに呆然と顔を見合わせた。すると......
「どうも皆様お初にお目にかかります。貴方たちの答えを伺いに参りました」
なんの前触れもなく背後から不意に聞こえたその声に俺は悪寒がゾッと走る。振り向くと小柄で狐のような男が背後に立っていた。
「漆黒の覇者か!?」
新王の形相たる面持ちに続き俺たちの表情も一層、険しくなる。
「ええそうです。私は漆黒の覇者の幹部が1人イザベラと言います。以後お見知りおきを」
イザベラは深々と挨拶をするが俺たちには警戒心を解く事はなかった。それ程の不信の念がイザベラから感じていた。
「安心しなお前らをどうこうする気はねえよ」
イザベラの狐顔が一変し獲物を捕らえるような鋭い目に変貌する。声も荒々しくなりまるで別人だった。
「な、なんだよこいつ。急に別人になったぞ!?」
ドンはイザベラに指を鋭く指すとイザベラは我に返るような反応をし始めた。
「おっと申し訳ありません。わたくし少々、変わった体質なものでして、それでいかがなさいます新王。ご返答の方は?」
「受ける。俺が出場する」
俺は新王が答える前にイザベラの前に名乗り出た。その場にいた俺以外の全員が吃驚する程だった。




