第31話 開催!異世界人トーナメント!
「それじゃ行くよ」
シルビーの合図と共にレイナとドンはゴンザレスに真っ直ぐと目線を向ける。
「それではゴンザレスまたお会いしましょう」
「じゃあな風邪ひくなよ」
「ああ、お前たちも達者でな」
穏やかな風と共に俺たちはゴンザレスに別れを告げるとシルビーのテレポートで新王の元へと向かう。
着いた先はマーベルの被害を受けていたが特に荒れた痕跡もなく濃密な花の香りに晴れ晴れとした晴天。いつもどうりの穏やかな王都があった。
「すげー!辺り一面花畑だ!それになんで宮殿が浮いてんだ!?」
ドンは辺り一面に目を輝かせ思わず快哉を叫ぶ。レイナはその様子を見て微笑ましく思い窃笑する。すると俺たちの前で眩い光が放たれる。
「レイナよ無事だったか!」
俺たちの前にテレポートで現れた新王は慌ただしく酷く狼狽していた。新王は一目散にレイナの前にまで駆け出しレイナの両肩をがっしりと握り怪我がないかどうか全身、隈無く見る。
「――心配をさせ申し訳ありませんお父様。私なら大丈夫です」
全身揺さぶられながらもレイナは答えた。新王の興奮はそれでも中々、冷めずにいた。
「とにかく無事で何よりだった!してそこの者は?」
ようやく冷静になった新王はドンの顔が視界に入った。
「俺はドン・シルバーだ。よろしくな、おっちゃん」
陽気に返事をするドンにシルビーは慌ただしくなる。
「駄目だろドン君!このお方はこの全宇宙の王、新王様なんだからちゃんと口のきき方には気を付けないと!すいません新王様、この子は住んでいたところがかなり荒れていたため口調も乱暴な面がありまして」
「......構わん」
少し俯いて答える新王。どうやらショックだったらしい。
「そういえば一よ。お主にも酷な思いをさせたな。すまなかった。非礼を詫びさせてくれ」
「俺は大丈夫です。あれからレイナに助けてもらったり、新しい仲間が出来ました」
俺はそう言うとレイナとドンとシルビーに目線を向ける。3人は嬉しそうな表情をしていた。
「そうであったか」
安堵する新王。そこでレイナは何か忘れかけていた歯車が回りだす。
「お父様、実は折り入ってお頼みしたい事があります」
「もしや漆黒の覇者を止めるため旅発ちたいと申すか?」
「お父様!何故それを!?」
新王が漆黒の覇者を知っていた事に俺たち全員が驚いた。
「やはりな、昨晩このような手紙が届いたのだ」
暗い面持ちの新王はレイナに1通の手紙を手渡した。レイナはその手紙を不安な表情で開ける。
「偽りの新王に告ぐ。貴様に少しでもこの世の平和を願うなら今すぐ偽りの王の椅子を絶つか、異世界人トーナメントに東条一を出場させろ。さもなくば、10の星が絶望の雄たけびを上げる事になるだろう。賢明なる判断を。漆黒の覇者より」
レイナが読み上げるとその完全な脅迫文に、周囲の空気が重く張り詰める。
「新王はれっきとした王です。これはテロと変わりませんよ。こんな物に屈する必要はありません」
「しかしこのまま放置と言う訳にもいかん。それにレイナ達が行ったラーサイオ星での事の顛末は既に我の耳にも入っておる。あのマーベルが入る組織なら本当に10の星に危害を加える事はやりかねん。無下にするわけにもいかんであろう」
シルビーが新王に説得が新王はこの脅迫文を重く受け止めていた。
「......俺、出ます」
新王が玉座から離れるわけにはいかないと思い、俺はそれなりに熟考して全員の前で名乗り出た。何とかしたいと言う気持ちが俺を突き動かしていた




