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君の為の進行劇  作者: ラツィオ
29/111

第29話 復興からの新都、セイビアー 3話


 「お父様には私が伝えておきますので、皆様はお気になさらないでください。大丈夫ですから」


 レイナは一度言い出すと曲げない所があるので、俺は反対しなかった。他の皆も同様にそう思っていた。


 「俺も着いていっていいかな」


 俺はレイナに真っ直ぐに瞳を向けた。やはり心配だった。


 「......一......いいのですか?」


 心苦しそうにするレイナ。


 「もちろん!」


 俺は即答した。レイナは満面の笑みを俺に向け俺に手を差し伸べる。


 「では改めて、これからもよろしくお願いしますね」


 俺とレイナは互いの手を強く握った。するとシルビーとドンが俺とレイナの前に歩み寄る。


 「ワン兄が行くなら俺も行くぞ。俺はワン兄の弟だからな!」


 「僕も行こう。さすがに心配だしね。それに一君にはまだまだ伝えたい事もあるしね」


 ドンとシルビーは俺とレイナの握る手に、手を重ねてきた。俺たちの中で強い仲間意識が芽生えた気がした。家族といてなかった物がここにはあった。暖かい温もりが。


 「たくっ、微笑ましいもんだぜお前ら。よし決めた!俺はこの町を復興させる。どデカい都市を作るぜ!」


 急にゴンザレスは奮起を起こすように立ち上がり自身の意気込みを吐く。


 「えっ、どうしたんだよゴンザレス?」


 俺だけでなく他の3人も口をポカンと開けゴンザレスに、目線を向ける。


 「お前たちを見てて思ったんだ。今この町は絶望に犯されてる。にも拘わらず、お前たちは前を見てる。その直向きさに感化されちまったわけよ」


 「ハハハハハッ!なんだそりゃ!」


 ドンが笑うと俺たち全員が腹を抱えて笑い出した。この町に希望の兆しが少し見えたようなそんな感じがした。


 「ならこの町にも名前が必要だね。現状、リベリオンでは好感が持てないからね」


 シルビーの率直さにゴンザレスは眉間に皺を寄せ深く俯き思考を巡らせ、十分に間を置く。


 「そうだな。セイビアーなんてどうだ。今まさにお前さんが他がこの町を救ったことが始まりの地って意味でよ」


 「おお!いいじゃんそれ!少し恥ずかしいけど」


 何かを閃いたような仕草でゴンザレスがそう答えると俺たちはそれに賛同するように驚く。するとそこにテントを捲り中を覗き込むベルマ。


 「賑わっている所申し訳ありませんが、少しよろしいですかレイナ様シルビー様?出来れば他の皆様方も」


 ベルマはどこか深刻な面持ちだった。俺たちは何かあると察し無言で着いていく。


 「何か分かったのですか?」


 「ええ、実はこの100000の軍勢たちはロサイウス星の名だたる軍隊だと言う事が分かりました」


 ベルマの話を聞いてシルビーの雲行きが暗くなる。


 「もしや、その軍隊たちは正気がある際に足元に魔法陣のような物が浮かぶのを視認したのでは?」


 「そう!そのとうりです!皆が不意に、地に浮かぶ魔法陣に目を奪われると今の今まで記憶が無かったそうです」


 思い悩むシルビー。その表情を見た俺はマーベルの顔が嫌でも浮かぶ。


 「どうやら今回の元凶はマーベルだね。ここの人たちは全員が被害者のようなものだよ」


 シルビーは辺りを見回しながら今回の事件についての首謀者を改めて口にする


 「バンエル王都を旅発つ際に皆様が言っていたそのマーベルを重要参考人として指名手配する事にします。そしてこの100000の軍勢たちをロサイウス星に帰還させる際にロサイウス星にも今回の状況を報告してもらい厳重態勢を敷いてもらう方針です」


 「じゃあ、ここの人たちはお咎めなしなんだね。良かった」


 ベルマの方針に、俺はホッと胸を撫で下ろす。それにしても100000の人数を洗脳させるマーベルの脅威はそこが知れない。もし俺に超気が無かったら今頃どうなっていた事か。


 「あの、ちょっといいですか?」


 俺の背後から唐突に話しかけてきたのはロサイウス星の軍隊たちだった。

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