第28話 復興からの新都、セイビアー 2話
「初めまして。私はシルビーと言います。ゴンザレスさんもよろしければテントに入りませんか?ゴンザレスさんの情報を元に今後の方針を立てたいのです。もちろんお金も支払います」
シルビーは丁寧に挨拶をするとゴンザレスはギョっとした表情になる。
「もしかしてあんた、4賢者の1人シルビー様か!?こいつはたまげた!......分かったよシルビー様。俺様の情報が役立つなら手貸すぜ。後、金は要らねえよ。なっ、一」
ゴンザレスは今回の騒動を収めたのが俺だと言わんばかりに、意思表示のようなウインクを俺に向ける。
「さあ皆様テントへ、ゴンザレスもどうぞ」
テントを上に捲るレイナ。ドンが先導し中に入り俺たちも後に続いた。中は意外と広く五人が丁度座れるスペースが確保されていた。俺たちは久しぶりに、座る感覚にホッとしていた。
「それじゃ、リベリオンの現状から説明させてもらうぜ。あの軍勢にやられたリベリオンの奴らは500を超えた。ただでさえ人口が救ねえってのによ。参ったぜ」
頭を掻きむしりながら答えるゴンザレスに俺たちは絶句していた。少しの沈黙が続く。
「私のせいです。私がこの町に訪れたばかりにこの様な悲劇を生みだしたのです」
心が締め付けられるような心境で語るレイナは胸を押さえつけていた。
「レイナのせいじゃないよ!悪いのはあのマーベルだ!」
「それとレイナがここにいる事をリークした奴もな」
俺とドンはレイナに非がない事を伝えた。深く俯いていたレイナも少し生気を取り戻したような表情になった。
「マーベル?なんだそりゃ?それにしても、あの100000の軍勢は大丈夫なのか?なに聞いても『すいません』しか言わねえぞ」
「あの人たちならもう大丈夫だよ。それに今はベルマさんがその人たちから聴取を取ってるから時期に分かるよ」
ゴンザレスの質問に俺は淡々と答える。
「そのマーベルについて僕から少し話そうか。マーベルは私欲の塊のような男でね。手に入れたいものはどんな手を使ってでも手に入れようとする利己主義なんだ。しかも厄介なことに負けず嫌いでね。自分の害ある存在は徹底的に、排除しようとするのもあいつのスタンスでもある」
色んな意味で厄介な男と言う印象を受けた俺は最後にマーベルが去った際に、俺に言い放った言葉が脳を過る。
「そう言えば漆黒の覇者とも言ってたけど。あれってなんだろう?」
俺の言葉に全員が目を閉じ首を傾げる。どうやら誰も知らないようだ。
「その組織が本当にあるなら知らないのも無理ないぜワン兄。だって昨日作った組織だって言ってたしな」
「ですね。今は漆黒の覇者についてはこの先で情報をあつめればいいと思います。このまま野放しと言う訳には参りません」
レイナは、引き締まった表情でドンの情報を元にそう判断する。するとシルビーはレイナに、おどおどした様な目線を向ける。
「もしかしてレイナ様。まさかと思いますが、ご自身でも行動を起こそうとお考えではないですよね?」
「今回の一件。私の立場を踏まえてもこの地に足を踏み込んだ事が原因の一環です。なので新王の娘に恥じないけじめをつけたいのです。そうでなければ亡くなった方たちとそのご遺族やご友人になんと言えばよいのか」
まさかここまで責任感が強い女性とは――
俺たち全員がレイナに息もつけないほど驚いていた。




