第25話 再戦
ラムダが何か念じると、俺の身体に光の衣が纏う。そして身体がフワッと浮くとその場で消えた。そして現れた先には、見慣れた建物が酷く破損し黒い煙幕を立ち上がっていた。リベリオンだ。俺は、リベリオンを見渡せる山の上に立っていたのだ。
「リベリオンが!」
リベリオンの中と周辺には、100000の軍勢と交戦しているリベリオンの住民たち。辺り一面、咆哮や剣撃で切り合う音が鳴り響く。しかし戦力差があるせいかリベリオンの住民たちは、すでにスズメの涙ほどの数しか立ち上がっていなかった。
「このままじゃまずいよ」
『一よ。あれを使うのだ』
俺は、飛び立つ前にラムダから教わった技を試そうと、急ぎリベリオンにまで全力で走り出す。山を下り平たい大地をかけ走る。でも先程と違い恐怖は余り感じなかった。俺自身が強くなったと実感していたからだ。身体から溢れる超気が俺を突き動かす。そして軍勢の近くにまで行くとマーベルが不敵な笑みを浮かばせ浮遊していた。
「あいつ」
『かまうな一。これから起きる出来事を奴に見せつけてやればよいのだ。』
ラムダの言葉を合図に俺は、力強くジャンプをした。浮遊しているマーベルの横をかすめ取る様に横切るとマーベルは、ギョっと驚く。どうやら超気を感知できないせいか俺の存在に気付けなかったんだろう。そしてリベリオンと100000の軍勢が見渡せる所にまで上がると、俺は、手の平を伸ばし超気を一か所に集中する。
「貴様いつ戻って来た!?それよりなんだそれは!?」
マーベルが初めて酷く取り乱していたように慌てていた。
「くらえ!ゴットブレス!!」
青白いオーラが勢いよく俺の手の平から放出する。そしてその先にいた100000の軍勢とリベリオンに直撃し辺り一帯を青白いオーラが覆い隠す。するとそこにいた全員がもがき苦しみだす。
「うわああああああああ!!」
リベリオンの住民たちも含めた100000の軍勢から黒い靄のような物が青白いオーラから吸い出されそのまま青白いオーラと共ににスーと消え去った。すると、ゴッドブレスに当てられた全員は、右往左往しながら辺りの人たちの顔をキョトンとした表情で伺っていた。そして俺は、空中から地上へと着地した。
『どうやら上手くいったようだな。ゴッドブレスは、他者にある悪と言う感情その物を消し去る魔法。善意があろうがなかろうが、争いの火種は完全に消え去るのだ』
ラムダの言うとおり、リベリオンでの争いは完全に鎮圧した。......ただ一人を残して。
「一体何をした!貴様のそれは、もはや神気をも超えた逸脱したものであろう!何者だ貴様は!?」
狼狽するマーベルは、俺に剣幕を突き立てるように聞いてくる。
「俺は、東条一だ。お前の悪だくみもここまでだ。マーベル!」
「くっ、今回の勝ちは、貴様に譲ろう。だが次に会った時は、こうは、行かぬぞ。この借りは、必ず返す。制裁される日を楽しみしているといい。さらばだ」
苦痛な面持ちのマーベルは、黒い衣を身に纏い、その衣と共に消え去った。
「なんとかなったね」
俺は、一度、深く深呼吸をし、気持ちを落ち着かせた。するとリベリオンの南西から巨大な土煙が舞っていた。そこから数えきれない大勢の人影が見えた。




