第23話 新王を超える存在 4話
未だ光も無く、あるのは、ラムダの目と鼻と口の零体の赤い色のみ、その光だけが俺をぼんやりと映す。
「我は、600年前、ある一人の女に......恋をしたのだ」
「えっ、恋!?俺がここに呼ばれた理由となんの関係があるの!?」
「話は黙って最後まで聞かぬか!......まあこの様な身であるからな、我は、無慈悲に振られたのだ......気持ち悪いと、我は、今の今まで引きこもっていたのだ。このダマスカ地方に、山を作りその中に、身を寄せてな」
まさかの恋バナ!!しかもこんな薄暗い場所に600年も引き籠るなんて、俺は、その言葉に面を食らう。そしてラムダの表情も疲弊したかのような落ち込み用だった。
「ここ山の中なの!?ダマスカ地方って?」
「一がいた位置から察するに一が居たのは、ラーサイオ星だな。ここは、ブライ星。ラーサイオ星から1億キロ離れた場所だ」
俺は、その場で固まり言葉が出なかった。まさか星を跨ぎ山の中に、テレポートされていたなんて。ラムダが話す言葉は、理解できても俺は、自分の主張が出来る余裕は、持てなかった。
「でだ、つい100年前の事だ。我の半身が不と消えたのだ。そして3カ月前に何の前触れもなく我の力の源でもある超気の半身が不意に人間として現れた」
なんとなくだけどラムダの言っている何者かが察しがついた。
「もしかして、......俺?」
「そうだ、一。貴様なのだ」
俺は、困惑した。まさか超王であるラムダの半身が俺の中にあるなんて、思わず自分の手を薄く赤い光の中で凝視する。しかし俺自身ラムダの気や魔力を認識できないせいか自分にラムダの半身があるかも分からずにいた。
「安心しろ。我の半身が一にあるのは、事実だ。単に一が我の力に自覚がないのもそうだが、人や種族、そして神すらも我の力を認識する事は、出来ぬ。我は、自然におけるあらゆる万物を超越し、その法則を超える存在。決して、生ある者が触れられぬ存在なのだ。よって超気を認識する事は、不可能なのだ」
どうやら、俺には、新王をも超える力があるらしい。さしずめ半身を返して欲しいと言うところだろうか。
「つまり俺をどうしたいの?」
俺は、事の成り行きの大部分は、理解した。そしてラムダの本当の真意を聞こうと簡潔に聞いた。
「......我も共に連れてってくれぬか?」
「えっ、連れてく?力を返して欲しいとかじゃなくて?」
まさかのラムダの返答に俺は、仰け反った。連れてってくれなんて予想外だった。




