第16話 襲来、100000の軍勢! 2話
人気のない路地裏で天地を揺るがすライアスの公言に俺たちは、呆然と立ち尽くしていた。
「その目的は、一体?」
強張った表情のレイナ。俺とドンにもピリピリとした緊張が走る。
「あんただよレイナ。どう言う訳かは、知らないがあんたの素性をリークした奴が近くにいたんだ。そいつは、恐らくかなりのやり手だ。なんせこの俺様の情報網にかからず、リークしやがったんだからな」
「お前が、リークしたって線もあるんじゃないか。俺たちを騙してるとかさ」
「おい、ドン」
淡々と話すライアスに、ドンが鋭い指摘をする。さすがの俺もそこまで疑っっていなかったので、ドンを止めようとする。
「まあ、情報屋の俺様がそう疑われても仕方ねえな。けど、これだけは、言っとくぜ。ここは、俺様の終着駅でもあり居場所なんだ。少しでもこの町の奴らの火種を取り払い安息の地にしてやりてえと思ってる。仮にお前らをこの場で売っても、後に手堅いひっぺ返しを食らうだけだ。なんせ、新王の逆鱗に触れるんだからな。新王は、温厚とは聞くが娘に何かあったら変貌し何をするかも分からねえ。俺に娘は、いねえが大切な奴が傷つく痛みは、知っているつもりだ」
幽々たる面持ちで答えるゴンザレスの言葉に俺たちの口は、重い蓋で閉ざされた。それ程の重みがあった。
「俺は、信じるよ」
「......仕方ねえなあ」
俺は、ゴンザレスの瞳を真っ直ぐに向け答える。ドンは、俺に感化されたかのように、ぼやきながらも答え、レイナは、クスクスと微笑していた。
「ありがとな。なら話を戻すぞ。率直に言おう。お前らこの町を出ろ。今すぐだ」
「えっ、でもそんな事したらこの町は?」
ゴンザレスの言葉に俺は、耳を疑った。
「まあ、お前らがいないと分かっても戦闘は避けられねえだろう。ここの町の奴らは、血の気も多いし理由が無くても突っかかるだろうしな、少なからず被害は、でる。けど、この町の恩人であるお前らに死なれたとあったら俺様の目覚めもわりいからな。でも安心しな。ここの奴らはちっとやそっとな事じゃやられやしねえよ」
ゴンザレスの表情から暖かさを感じ、本気で俺たちを逃がしたいと言う思いが伝わる。
「なら逃げる代わりに、私達から一つ約束します。このリベリオンに軍を派遣すると。新王の娘であるレイナ・ロンドの名に懸けて」
「いっ、いいのかい!? そいつは、助かるぜ。レイナが頼めば軍の奴らも無視できねえ案件になるからな」
レイナは、覚悟を決めた表情で、ゴンザレスに向け真っ直ぐと伝えた。ゴンザレスも驚きを隠しきれずにいた。
「よし! 善は、急げだ。早く行こう。こうしている間にも向こうは、攻めてくるんだし」
「ありがとう。一」
レイナの覚悟に俺も腹をくくった。と言っても援軍を呼ぶだけで俺たちに大した事は、出来ないのが心苦しくも思えた。
「ならここの馬を使え。既にこの町の入り口に着けてある。ここから、南西に半日もしねえで着くバンエル王都がある。そこでなら王都の軍だけでなくギルドもあるからな」
「ありがとうゴンザレス。必ず戻ってくるよ。ほら、行くぞドン」
「終わったのか?」
俺がドンに声をかけるとドンは、気の棒で蟻を小突いて遊んでいた。どうやら飽きていたらしい。仕方ないので詳細は、移動しながらドンに話す事にした。




