第109話 修復作業
宇宙戦艦が影が残らない程、見えなくなると、不意に俺と光輝の前に光の輪が現れた。
その光の輪からはレイナ、ドン、シルビー、キャンシー、ダイス、湯江が現れる。
そしてドンとレイナが俺の所に血相を変えて、慌てながら向かってくる。
俺は二人を優しく受け止める。二人は『心配していたんだぞ』『無事で良かった』と、俺の身を心の底から案じていてくれた。
湯江は泣きながら光輝に走り込んでくる。湯江も『良かった。良かった。本当に良かったバイ』と号泣しながら何度も口にする。
やれやれ、と言う相好で湯江の頭を優しく撫でる光輝の頬は少し緩んでいた。
シルビー達も良かったと、安堵する表情を浮かべる。
そして辺り一面に広がる崩壊した建物の瓦礫の山を景観し始めるシルビーはゼファイアはどうしたのかと俺に聞いて来た。
俺は今回の事の顛末をみんなに聞かせた。これからのゼファイアたちに危険がないと言っても信じてもらえないかと懸念していたが、みんなは俺の言葉を疑うことなく信じてくれた。
シルビーとダイスは崩壊した建物や地形を修復魔法で戻そうと、その中心部に足を運ぶ。二人が背中越しに向かい合い杖を取り出す。そして崩壊した地域全体の地に光の巨大な魔法陣が浮かび上がる。
すると崩壊した建物は光の分子に変わりその光の分子は元々の建物だった構造に変化していく。光の衣を纏うそれらは一軒一軒、丁寧に成されていく。電柱や信号機などにもそれは施されていた。
その工程がすべて終え、360度、見渡す限りに修復の第一工程の様な物が終わる地域全体の建物。そして覆い被さっていた光の衣は星が降り注ぐ様にキラキラとこぼれ落ちていく。
流れ星の様な光のカケラの中から完全に修復された建物が姿を現す。
そして吹き飛ばされた大地や草木には虹色の蛍の様な物が降り注ぎ元の地形や草木に変わっていく。
それを目の当たりにした俺たちは神秘的な気持ちになっていた。うっとりするようなその光景に誰もが心奪われてしまう程。
湯江もヒーリング会社が修復された事にホッと胸を撫で下ろす。俺たち全員も無事に地域全体が修復された事に同じ想いだった。
修復を終えた二人は散歩をする様な足取りで平然と戻ってくる。どうやら二人にはこのぐらいは朝飯前の様だ。
こうして俺たちの戦いは終わりを告げた。
ゼファイアとの死闘、漆黒の覇者との因縁に蹴りが付いた瞬間だった。




