第101話 舞い降りるゼファイア。その目的とは?
まさかの展開に俺たちは困惑する。しかし時の針は待ってくれない。こうしている間にもゼファイアの宇宙艦隊がこの会社にやってくる。
だが現状、迎え撃つ準備もしていないし、向こうから来たと言う事は少なくともゼファイアたちは戦闘の準備は整っていると思える。
ゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!
大広間にまで響き渡る宇宙戦艦の音。近づいて来たと分かる程、俺の心臓の鼓動は高まっていく。
「とにかく皆様。外に出ましょう。このままここにいてもこれ以上の状況は掴めません」
キャンシーがそう言うと俺たちは変装していた服を脱ぎ捨て元の服装に戻った。そしてキャンシーが先導して俺たちは玄関ホールへと走り、ドアを出た。
すると会社の屋上にの2000メートルまで近づいてきている宇宙艦隊。その大きさは1000メートルは超える巨大な艦隊だった。鉄の羽根を生やした様な艦隊。これじゃまるで鉄の大鳥だ。
そしてその艦隊からノイズの様なキーンとした音が流れると......。
「聞こえるか。有象無象のヒーリング会社共。俺はゼファイアだ。俺様のチワワはちゃんと準備できているんだろうな!?」
スピーカーからけたたましく発せられた声はゼファイアだった。
と言うかあのチワワお前の注文だったんかい!
ちょっとしたゼファイアのギャップに少し面を食らった俺。
「チワワ一匹に随分と執着するバイね。そんな事でこの来たくも無い会社に戻って来たんバイか?」
どこから持ち出してきたか分からないが湯江は拡声器を取り出しゼファイアに語り掛ける。
「別にチワワのためにここに来たという訳ではない。ましてやこの会社に対してはなんの情も持ち合わせてはいない。俺がここに来た理由はただ一つ。......東条一!!俺様との一騎打ちに応じろ!!さもなければ泉光輝を処刑する!!!」
言葉にしながらハッチが開き白くキラキラと光るワームホールが俺たちの前に現れそこからゼファイアがスーと下りて来た。
「えっ!!光輝が処刑!!!?」
不敵な笑みで俺たちに向けるゼファイアに俺は面を食らってしまう。
「どういう事バイ!光輝お兄ちゃんが処刑と言うのは!!?」
動揺する湯江ににんまりとした笑みで口を開くゼファイア。
「今現在、泉さんはこちらで牢に幽閉している。もし俺の挑戦を拒むのであれば処刑すると言う事だ」
そ、そんな......光輝が捕まっていたなんて......。
突然の宇宙艦隊が現れ、市民が何が起きたのかと困惑する中、俺たちはそれ以上に困惑していた。しかしそんな俺たちが安息をつく間もなくゼファイアは更に言葉を重ねてくる。
「それとこの勝負には条件がある。俺と東条一が拳を交え、そのどちらかが敗者となれば、そいつは勝者である者の言う事を無条件で飲まなければならない」
睥睨な視線で俺たちを威圧する様に語り掛けてくるゼファイア。
しかし俺から見たらその面持ちからは王としての風格や威厳の様な物は感じなかった。
まるで自分の不満や欲を満たしたいがために、権力や政権を振りかざすような悪辣とした人間が目の前にいる感じだった。
「分かった。受けるよ」
俺はためらいも無くそう答える。
「序でに言っておくが、俺の命令はそこにいるレイナロンドを妃に迎える事だ」
なんだって!!!!!
もう同様しまいと思っていた俺だったがその矢先にゼファイアの言葉に仰け反ってしまう。
レイナは口を両手で塞ぎ目を大きく見開き驚愕していた。




