第10話 最凶の能力者?その名はドン! 4話
「外野がうるせえなあ。でもまあ、そろそろとどめといくか!」
そう言うとドンは、俺の前へと、にやりとした笑みを浮かばせゆっくりと歩き出す。俺は、頭を何度も振るいどうにかして意識をはっきりさせようと奮起する。
「どう足掻いたってお前は、もう積んでんだよ!」
残りの距離を一気に詰めてきたドンはバッチンの構えをしていた。
「グラビティ!」
俺は全身を奮い立たせ、渾身のグラビティを至近距離でドンに放った。
「甘いぜ! 魔法追放!」
バンッ!!
ドンは片手を広げ前に突き出すと眩い光を放ち俺のグラビティは光の微粒子に変わり弾け飛んだ。そのままドンは、俺の前へ突っ込み何度も殴打する。
ドカ、バシッ、ドカ、バシッ!
「う、うわ、ぐっ!」
「どうだオラッ! 俺のマジックバンは全てのスキルを強制的にキャンセルさせるんだ! お間がどれだけ凄かろうと俺の前じゃ無力なんだよ!」
ドンは俺を何度も殴りなが罵倒する。そんな俺はどうする事も出来ずにいた。そんな中レイナが杖を魔法で取り出すと悲痛な表情でドンに殴りかかる。
「やめなさい!」
ドンのこめかみを狙って振り下ろした杖はかする事なく外れた。
「ちっ、邪魔すんじゃねえよ! 女は引っ込んでろ!」
「黙りなさい! 貴方のように暴力で支配しようとする獣に私の守りたい気持ちは、理解できませんでしょう」
レイナは罵倒する勢いでドンに剣幕を突き立てる。
「言うに事欠いて俺を獣だと? フハッハッハッハッ!! ......ふざけんなよこのアマ!!」
激怒したドンはレイナに神速で距離を詰める。レイナには、ドンの動きがはっきりと見えていた。身構るレイナにバッチンの構えをとるドン。
「うおおおおお!」
倒れていた俺は身体を奮い起こすように立ち上がらせドンの視界から外れていた俺は不意をつくようにドンを殴った。
ドカッ!
「ぐわっ!」
10mまで殴り飛ばされたドンはその場で蹲る。
「てめえ、汚ねえぞ。女に助けてもらった挙句に不意打ちかよ」
「ああ、そうだな。お前がどう言おうが構わない。それでも俺は、レイナを助けたかったし、お前を殴らないと気が済まないんだよ」
俺は、蹲るドンに思いの丈をぶつける。
「ふん、なに開き直ってんだ。いいぜ。そう言う事なら俺も遠慮はしねえ」
そう言うとドンは、懐から隠し持っていたナイフを取り出した。妙な炎のような模様が付いた年季の入っていそうなナイフだった。
「そんなもん持ちだしてまで戦うのかよ。お前なら拳で十分強いだろ! すげー奴だと思ったのに、そんなもんに頼るなんて」
「うるせえ!! 勝ちゃいいんだよ! 勝ちゃあなあアーーー!!」
俺は、悔しそうな面持ちでドンに言うとドンは、それに激怒し我を忘れたような面持ちで俺に突っ込んできた。そしてバッチンの構えを取ってきたドンに今なら魔法追放は使えないと判断した俺は、全力でグラビティを撃ち放った。
「引っかかったな! 魔法追放!」
しかしドンは、罠だと言わんばかりに嘲笑した面持ちでバッチンの構へを解き魔法追放を放つ。そして俺のグラビティは、光の微粒子になりあっさりとかき消された。まさかのフェイントに俺は、その場で思考が一瞬停止した。




