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英雄の冒険旅行譚  作者: 信礼智義
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4 エピローグ

今まで読んでいただいてありがとうございます。

王の放送は事態を大幅に変えるきっかけとなった。各部族はティガル将軍が反逆者であることを宣言し、王を支持した。また、軟禁されていたホンス族以外の兵士たちはホンス族の監視兵を打倒し、一斉に武装ほう起した。


更に決め手になったのは、ヘイス族討伐の指揮官であったカムトイ将軍がブルキ大佐を逮捕し、ブルキ直属の兵5000人を武装解除してヘイス軍に投降したことだ。

ティガル将軍の軍は、直属の兵士たちが次々脱走していき、すでに手の打ちようがない状態になっていった。

ついに、ティガル将軍は何人かの側近とともに外国に亡命した。


ヘイス族を中心とした諸部族連合軍は首都に進攻し、首都を占領した。すでに抵抗はなく、

王は壊れた王宮の代わりに、部族会議場に居を構えた。


首都の目抜き通りでは、軍事パレードが行われた。ヘイス族の前族長ブルガノ、鈴木少尉と英雄(ひでお)の3人が最大の功労者としてパレードの先頭に立っていた。

沿道に集まった人々はみな、手を振ったり、歓声を上げていた。

大冒険だった。命の危険もあり、大変だったが、すごい体験だった。英雄はそう思った。そしてこの大冒険もこれで終わりなんだなと少し寂しさを感じていた。


鈴木少尉はターイエ軍の名誉元帥に、英雄(ひでお)は准将になった。さらに二人には特に国に尽くしたものに与えられる第一級英雄勲章を授与された。英雄(ひでお)英雄(えいゆう)となった。


英雄(ひでお)は帰り支度を始めていた。レポートの材料として鈴木少尉殿(元帥閣下と言ったら俺とお前は日本人なんだから少尉殿と呼べと言われた)の協力でヘイス族の詳しい資料をもらった。これをもとにすればそれなりにいいレポートができるなと考えた。

英雄(ひでお)が王たちの奪取に成功した直後、スラーシャと合流した。王たちとスラーシャは、お互いの無事を確かめ合い、生きて再び会えたことを喜んだ。そして、スラーシヤは上気した顔で、英雄(ひでお)に「父上に許可をお願いします。あなたには最高の褒章を差し上げます」といった。それ以来スラーシャとは会っていなかった。確かに最高の褒章をもらったし、もともとスラーシャはこの国の王族なのだから、庶民の自分が気軽に会えるものとは思っていなかった。少尉殿には何回か会って話をした。レポートの件もその時にお願いし、揃えてもらった物だ。アプリちゃんはいつも通り少尉殿と一緒だった。

少尉殿から「アプリを連れていくか?」と聞かれたが、「またこの国に来ますよ。その時までに考えておきますよ」といってごまかした。

帰りの飛行機に乗る日、少尉殿とアプリちゃんが見送りに来てくれた。とてもうれしく思った。少尉殿が「スラーシャ姫には別れを告げなくていいのか?」と尋ねてきた。

「皆さん、後始末で忙しいみたいですし、王族の方々もいろいろ大変じゃないですか。そもそも一介の外国人が王様のところにお別れをいうだけのために行くなんてとてもできないですよ」英雄(ひでお)は笑って言った。

「わしが言うことではないと思うが、スラーシャ姫はお前のことを好いておったのではないか」少尉殿は言った。

「まさか、仲は良くなりましたが、とてもそこまではいかないと思いますよ」

「そうかのう。アプリはどう思う?」

アプリはニコッとしながら言った。「ヒデオは私を嫁にするのですよね。そうひいおじい様はおっしゃいました」少尉殿と英雄(ひでお)は顔を見合わせ、二人で笑った。

「そうだな、まあ落ち着いたらまた来い。歓迎してやる。今度は落ち着いてこの国を案内してやろう」「ありがとございます少尉殿。必ずまた来ます。それまでお元気で。アプリちゃんも元気でね」

「軍曹達者でな」「ヒデオ元気でね」

そうやって、英雄(ひでお)は日本に帰っていった。


「大変痛快な冒険だったな。わが人生においてもこれだけ痛快なことはなかったわい」

鈴木少尉は言った。

「ヒデオはまた来てくれるでしょうか」アプリは心配そうに言った。

「大丈夫だ、あいつはまた来る。その時まで、わしが生きていられるかどうかはわからんがな」「ひいおじい様はあと、2、30年は生きると思います」

そのとき、空港のテレビがニュースを伝えた。「王宮から発表がありました。スラーシャ姫と救国の英雄である九頭英雄(くとうひでお)の婚約が発表されました。詳細はまた追って発表するそうです」アナウンサーは興奮したように話していた。

二人はそのニュースを見て、びっくりしていた。そして鈴木少尉は言った。

「まだ、この物語は終わらんな。痛快痛快、アプリも頑張らなくてはな」と言って笑った。


皆様からのご要望があれば、続きを書いていきたいと思っております。

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