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え?つまり、俺は選ばれたと…!?
俺が興奮していると、女神さまは申し訳なさそうに続けた。
「あ、いえ、選んで殺したとかそういう意味ではないんです。あなたがあの階段から落ちるのは決まっていました。ですが、本当は助かるはずだったんです。」
え?だが現に俺は死んでしまったわけで…。
俺がはてなを出していると、そのまま話を続けてくれた。
「助かるはずでした。ですが、ちょうどその時、死ぬはずのない命が1つ亡くなりそうになってしまったのです。それこそ不慮の事故で。それに慌てた私は、ついあなたの世界に干渉してしまったのです。そのせいで、助かるはずだったあなたは死んでしまった…。つまり、私のせいなのです。本当にごめんなさい!」
女神さまは本当に申し訳ないというに、涙を流しながら俺に謝った。
「…そうだったんですね。いや、でもその人が死ななくて良かったです。俺は夢だった異世界転生が出来るわけだし、女神さま綺麗だし、そんなに泣かないでください。」
我ながらクサイ事を言ったと思う。
「…ありがとうございます。」
女神さまは涙を拭いて微笑んだ。