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携帯を見ていたせいか踏ん張れずそのまま後ろから落ちていく。
幸か不幸か俺の後ろには誰もおらず、誰かを巻き添えにはしなかったようだ。
だが俺はそのまま階段から落ち、頭をぶつけた。
いってぇー…。
あー、でもこの流れは…。ついに俺も異世界に…。
なんて、呑気にそんな事を考えながら、意識を手放した。
うっ…。
まだ痛みの残る頭をおさえながら、目を開ける。
そこには真っ白な天井と真っ白な壁。
俺は真っ白なベットに寝かされていた。
やっぱり現実はそんなに甘くないか。
どうやら俺は病院に運ばれたらしい。
ふっ、と自嘲気味に笑うと、もう一度目を閉じようとした。
「いえいえ。あなたの願い、叶ってますよ。」
突然女性の声が聞こえ、俺は閉じかけた目を開いた。
な、なんだ?看護婦さんか?
バッと起き上がると辺りを見渡した。
そこでやっと俺はここが病院でない事に気がついた。