不法侵入者が増えた。
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部屋の中で頬を膨らませる幼女を見て溜息をつく。
「此の邪神アルバを通報する人の子は初めて見たのじゃ」
アパートの簡易台所に立てかけておいた、まな板を手に取りながら溜息をつく。
最近此の不治の病を発症させる若者が増えつつあると聞いてたが年代が低くなってるとは思わなかった。
というか邪神と聞いて平然としている自分に対して憤慨してるみたいだ。
此れは完全に不治の病だな。
「誰が不治の病かっ! 失礼な吾輩は本物の邪神なのじゃ」
耳が良いようだ此の幼女は。
「幼女言うなっ!」
というか本気で邪神と聞いて平然としている自分に怒っている。
ハイハイ。
邪神様~~静かにしてください。
貴方が邪神なら此処のアパートの大家は神様ですので怒らせると怖いですよ~~。
「ふざけるなっ! 大家ごときが吾輩に敵うもんかっ!」
そう言ったら更に憤慨した。
此処の大家は怒らせたら本当に怖いんだけどな~~。
「ふん!? 望むところじゃ! 吾輩が返り討ちにしてやるっ!」
溜息をつきつつ、まな板に水をかけて素早く水気をきる。
今日は漬物とサバの潮汁にモヤシ炒めで良いだろう。
それはそうと此の幼女何時まで居座る気だ?
流石に一人で夕食を食べるのは非常識だ。
二人分用意しないといけないだろう。
「ほう~~吾輩に供物とな良い心がけなのじゃ」
図々しい発言をする幼女に溜息をつく。
とは言え一人で食べるのもアレなので仕方ないと諦める。
暫く時間が掛かると言いながら調理に没頭する。
「暇じゃっ! もてなせっ!」
テレビの下にあるプレイステーション3で遊んでればと呟く。
「なぬ? プレイステーションとな何じゃそれは?」
溜息を付きながら遊べるようにとプレイステーションをテレビと繋いでやる。
ゲームソフトは適当な格闘ゲームを選んでセットしてやった。
「おお!?」
ピコピコとゲームに夢中になる幼女を尻目に夕飯の続きをする。
鍋にサバと昆布を入れて水を張り火にかける。
漬物は大根の葉と皮を千切りにして塩水につけた物を適度に搾り小皿に盛る。
そうしながら、ふと幼女の方を見る。
「此のなのじゃ!?」
「甘いわっ!」
「……」
何故か不法侵入者が増えていた。
しかも同じ幼女。
更に言えば最初の幼女が銀髪碧眼のなのに対して金髪碧眼だ。
色違いの幼女だ。
取り敢えず携帯を取り出す自分。
色々と弁解しなくてはいけないが取り敢えず通報しよう。
「待ってください私は女神レインとも申します不審者ではありませんっ! だから通報しないでください」
新しく不法侵入してきた幼女が必死に懇願するので通報するのは思いとどまった。
溜息を付きつつ携帯を仕舞うのだった。
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