不法侵入者が家で威張ってました
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その日は昼のシフトに仕事が入っていたので帰りが遅くなった。
帰りには当然のごとく夕飯の弁当を買っていく。
今日は運が良かった。
塩サバが安く買えた。
通常の半分以下の値段で買えたのは幸運だ。
今日は運がいい。
なので多めに買う。
朝の弁当のオカズししてもいい。
冷凍して保存してもいい。
塩サバは節約食材の一つだ。
焼いて良し。
或るいは焼いてから水を張った鍋に入れ屑野菜を入れて煮込み潮汁にしてもいい。
若しくは少し旨味が少なくなるが塩気を抜いてサバ味噌煮にしてもいい。
更に言えば出汁を取ったスープは味噌汁にも使える。
余った出汁は小分けにして袋に入れ冷凍して個別に料理に使える。
まさしく煮て良し、焼いて良し、出汁にして良し、万能節約食材だ。
料理が出来ない自分でも扱える数少ない食材だ。
ホクホクした気持ちで帰路につく。
時間的に言えば夜。
シンシンと寒さが本格的な物になりつつある今日この頃。
見上げればチラホラと雪が降り始めていた。
はあ~~と、吐くと白い息が放射状に出ている。
面白い。
まるで怪獣になった気分だ。
寒さで冷たくなった手を息で温める自分。
暖かい。
スリスリと、手を擦りながら思う。
耐寒性に優れた手袋は高いので軍手を重ねて使ってるからゴワゴワする。
感触はあまり良くないが、思ったより防寒性が高いので頬が緩む。
本格的に雪が降り始めたら新しく買いなおすのも検討するか?
でもまた今年も買わない気がする。
勿体ないからだ。
そう考えながらアパートのドアの鍵を開ける。
ガチャリ。
「遅かったようなのじゃ」
ガチャリ。
思わず自分はドアの鍵を閉める。
おかしい。
大家に頼んで鍵を変えてもらったのに何故か此の間の幼女が居る。
あの時と同じゴスロリの格好で。
しかも下着が見えるギリギリまで短いスカートを履いていた。
色々と問題が有る。
そんな幼女が自分の部屋に、また不法侵入していた。
以前は何とか警察に誤魔化せたが今回もとは言えない。
それに近所の目もある。
仕方ないので携帯を取り出す。
「待てっ! 話しを聞いてくれっ! 通報しないでくれなのじゃっ!」
ドア越しに携帯を開けた音が聞こえたのだろう慌てた声がする。
……仕方ないので溜息をつきながら携帯を閉じたのは言うまでもない。
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