家に帰ってきたら不法侵入者がいたので通報した。
面白かったらポイントを入れてください。
高評価なら五話ではなく更に連載します。
多分無理だろうけど……。
その日も何時もの様に夕食を買いに行っていた。
それとついでに部屋のダニ退治の為にバルサンを買う。
昼間にだ。
それも一人で夕食を買いに行くという行為は自分が独身だという事を自覚させられる。
親しい恋人は二次元にしか居ないという状況は憂鬱な気にさせられる。
本当に。
既にバルサンを焚くことは御隣さんと消防署それに大家に話してある。
後は既に締め切った部屋でバルサンを焚いて適当に時間を潰すだけでいい。
そう思いながら自分が借りている築十年のアパート二階の階段を上がる。
部屋の鍵を回す。
ガチャリ。
「いやあああっ! 死にとうないのじゃっ!」
「此のガキがっ!」
何故か部屋の中には、血まみれの斧を持った男とそれに追いかけられている幼女が居た。
男は血で薄汚れている。
パタンッ。
思わず部屋のドアを閉める自分。
徹夜続きの幻覚だろうか?
瞼を擦る。
気を取り直してもう一度開ける。
「ひっ!」
「おらっ!」
「……」
物凄い幻覚がまだ続いている。
だが事態は切迫している。
斧で切られたのか幼女の右手から血が出ていた。
パタン。
「ヤバイ薬は飲んでない筈なんだけどな~~」
ドアを再び閉めて思わず現実逃避しかける自分。
というか何でこの騒ぎなのに誰もこの部屋を訪ねようとしないのか?
そんな疑問を抱いていた時だ。
「ぎやあああああっ!」
その時ドア越しに今まで以上の悲鳴が上がる。
それまでの躊躇いを振り切るのは一瞬だった。
気が付いたら部屋のドアを開けていた。
買ってきた夕飯の弁当を男の顔に投げつける。
やってしまった……。
でも人の命が掛かってるし仕方ない。
「ウグッ!?」
見事に顔面にぶち当たる弁当。
男は体勢を崩す。
「早く来いっ!」
その言葉と共にバルサンを焚き中に投げる。
「!?」
その言葉だけで自分を助けてくれると理解した幼女。
幼女が出るのを見計らいドアを閉めた自分は素早く鍵を閉めた。
「助けてくれて有難うなの……何をやってるじゃ?」
「警察に通報してるんだけど?」
何故か通報してる自分に顔を引きつらせる幼女。
何でそんな顔をする?
二十分後。
男が駆け付けた警察に捕まったのは言うまでもない。
其のあとの事だが何時の間にか幼女は消えていた。
その為、自分が警察で事情聴取を受ける羽目に成ったのはご愛敬である。
高評価を待ってます。