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王に

ルーシーは、いつも独りだった。


幼い頃に毒により両親が亡くなってから、家族は兄だけだった。両親が死んだことで、兄は王となり、政務で忙しく、構ってくれる人は誰もいなかった。


寂しかった。


王族だから、とみんな私を丁重に扱う。それは、私に心を開かないのと同じだ。


寂しさを紛らわすために、一生懸命勉強してみたり、一日中本を読んでみたりしたけれど、ただ知識が増えていくだけで、寂しさはいつまで経っても埋まることは無かった。


そんなある日、兄が死んだ。過労だった。兄は歳若くして、国と言う大きなものを一人で背負ってきたのだ。かなりの年の差があったため、兄は私を可愛がるだけで、頼ることなんてしなかった。一人で背負いすぎたのだ。


残る王の血は、私と、兄の妻のお腹にいる子のみ。


私が王になるしかなかった。


それは、私が12の時だった。




それからはただ国のために働いた。国民が幸せになれるように。苦しい思いをしないように。楽しい日々を送れるように。


最大多数の最大幸福。


私がそれを選んでいくうちに、いつしか私は賢王と呼ばれるようになっていた。

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