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出会う令嬢 レイラ・ボールドウィン
「よう、せい?」
私は思わず口に出していた。
「そうだよ!」
「さっきエラにもきかれたね〜」
「そうだった!」
「ひとはなまえがすきなんだねー」
「エラは、無事か?」
ロイがとても、とても、低い唸るような声をだした。
「だいじょうぶだよ〜」
「セリーヌといるからあんしんだね!」
「セリーヌはえらをまもってくれるの」
「セリーヌはいちばんつよいもんね〜」
セリーヌ?
もしかしたら、セリーヌとは……
私は心当たりがあった。
「エラはどこにいる?」
ロイが尋ねる。
「むこうのおかだよね〜」
「うみがきれいにみえるの!」
「セリーヌがつれてこいって〜」
「だから、わたしたちがきたのよ」
そう言うと、妖精達が一斉に進み始めた。
私達はそれに、着いて行く。
エラがいたのはとてもとても美しく、とてもとても見覚えのある丘だった。
そして、更に見覚えのある、セリーヌがいた。




