追手
震える唇で言葉を必死に紡ぐ。
「貴方は、これから私をどうするつもりですか。」
すると、セリーヌは考え込んだ。
「私は、君に永遠の命を与えたい。君とともに永久を過ごしたいんだ。だから、それ以外は特に考えていなかったなぁ。」
セリーヌはふっと微笑む。
「嗚呼。お迎えが来たよ?」
私がセリーヌの視線の先を見ると、そこには怒ったような、ロイ達がいた。
「なにを、している?」
ロイの声は底冷えするような低いものだった。
「いらっしゃい。」
セリーヌは私を抱きしめたまま答える。
「エラは私のものになるんだよ?」
「何を言ってるんだ?お前は誰だ。」
ロイが怒っている。でも、この人は、神様。相手は神様なのだ。
「私の事ぐらい、この国の王子ならば知っているだろう?絵姿なら君なんかよりいくらでもある。この世界を創った神だよ。」
セリーヌが微笑むのがわかる。周りが息を呑む空気がわかる。
嗚呼。
ロイが叫ぶ。
「エラを返せ!」
すると、セリーヌが笑いだした。大声で、高らかに。
「何を笑っている?!」
すると、笑いをとめ、セリーヌは言った。
「君は、誰にものを言ってる?君の命くらい奪うなんて造作ない。」
セリーヌが指をパチンと鳴らす。すると、ロイが胸を抑えて苦しみ出す。
「やめて!」
私は叫ぶ。
そうか。
セリーヌがここまでロイ達を来させたのは。
私に見せ付けるためか。
私は自分ができる1番美しい声音で、愛しそうに目を細めて、言った。
「セリーヌ。私をこんな人達の前から、連れ去って頂戴?こんな人達、もうどうでもいいわ。元々去るつもりだったし。こんな人達のために貴方の力を使うなんて勿体ないわ。早く、2人になりましょう?」
ロイが、悔しそうに唇を噛むのが見えた。
でも、こうするのが最善だったから。
セリーヌから私が離れたら、ロイ達は間違いなく殺される。そして、ロイ達を守る素振りを見せたとしても。少しでも、戻りたいと、私が言ったなら、戻る場所を直ぐにでもなくしてしまうだろう。
全てを知った。
そして、今演じるべき道化の姿をも。
「そうだね。エラ。」
ふわりと体が浮いた。
「もう、二度と私を追ってこないで?鬱陶しい。」
私は吐き捨てるように言うと、そこから、目を逸らし、セリーヌに身を任せた。




