怯える令嬢 レイラ・ボールドウィン
昨日は50話で切りもよかったので、一旦お休みさせて頂きました。また、よろしくお願いします。
この林は私たちの様子を伺っている。
先に進みたいのものだが、エラがどこに言ったか分からないので無闇に歩くと、危険が伴う。
「どこにエラはいるんでしょうか?」
私は呟く。この空気は、エラに対してのものか。それとも、私たちに対してのものか。
すると、ウィリアム先生が話し始めた。
「この林は、海の妖精の住処なんです。海の妖精の、神聖な場所。だから、この林は基本的に入ることが出来ないのです。入ることが出来るのは代々愛し子のみ。」
「では、我々は愛し子だと?」
ロイが尋ねる。
ウィリアム先生は微笑んだ。
「そんな訳ない。王子ともあろうお方が、この程度の殺気にも気がつけないと?エラお嬢様はこれくらい直ぐに察知しますよ?」
ああ。嫁いびりしてる姑みたいだ。怖い。
ロイはとても悔しそうだ。と言うか、エラって何者?!それ公爵令嬢のスキルじゃなくない?
「つまり、エラが愛し子であると?」
「ええ。良かった。少しは頭も回るようですね。」
乾いた笑みを見せるウィリアム先生は怖い。なぜか、怖い。
すると、ウィリアム先生はすっと真剣な顔になる。
「だから、お嬢様が危険です。私たちを排除して、エラお嬢様を帰さないつもりなんですよ。」
すると、突然聞きなれない声が聞こえた。高く愛らしい声だった。
「そうだね〜」
「だって、エラをかえしたくないもんね〜」
「すごい!あたってる!」
「こんにちは〜」
声の方に振り向くと、妖精が、いた。




