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やさぐれる令嬢 レイラ・ボールドウィン

蘇った記憶とともに、心の奥底でまだ期待していた自分まで打ち砕かれた。


この子にはかなわない。


プラチナブロンドは光に当たり輝いていて、瞳はどこまでも深かった。


私も美しい自信があった。でも、それは、私の知っていた世界でのことであって、エラが存在すれば私なんて道端の石ころ程度だ。


私は、ロイに釣り合うように努力していたからある程度のことはそこら辺の令嬢より出来ていた自信があった。


でも、エラは入学試験では1位をとり、マナーも完璧。ひとつひとつの所作が美しく、拾ったハンカチに施された刺繍は見たこともないくらいの美しさ。


どんな人とも社交的に話し、毎週孤児院に行って奉仕をする。ドレスも最低限しか持たず、その分を様々な所へ寄付する。


貴族令嬢としても、次期王妃としても完璧。


もしこの子を差し置いて、私が無理矢理ロイと結婚しても、永遠にロイの心は奪えないし、周りからもずっと敵わない人と比べられる。


もう、無理だ。





前世では、乙女ゲームと和菓子作りが趣味だった。

乙女ゲームでヒロインとヒーローの恋を応援していて、ヒロインに自分を重ねたりしていなかったのは本当。だから、今世でもそれを趣味にしたらいい。


どうせ、乙女ゲームのヒロインとヒーロー。くっつく他ないのだ。


やさぐれながら和菓子の材料を集め、和菓子をつくっていた。

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