胸きゅんする令嬢 レイラ・ボールドウィン
色々と情報が出てきたので、小説の名前を変更しました。
これからもゆるゆると完全作者の趣味で書き進めていきます。よろしくお願いします!
エラは本当にヒロインだ。
そう実感せざるを得ないくらいに、エラは完璧にヒロインをしている。
そのせいか、胸きゅんシーンが乙女ゲームより数多く存在し、本当に嬉しい。最近はいち胸キュンごとに、和菓子を差し入れしている。いいものを見せてくれたお礼だ。
そして、今日は入学パーティー!
この前、私が汚してしまったからとドレスをプレゼントすることが決まっていたので、お泊まり会の次の日に仕立ててもらい、ドレスやらなんやらをプレゼントした。勿論、乙ゲーでエラが(ロイルートの時)来ていたドレスだ。
これから、あのスチルを生で見られるのだから、心臓のドキドキが収まらない。確か、あのスチルはダンス中のホールの真ん中で起きるもの。だから、私はその近くまで近寄らなければならない。すると、誰かとダンスをしなければいけなくなるのだ。
困った。
私は記憶を思い出す前は、ロイに夢中で、記憶を思い出してからはエラとロイのカップルに夢中だ。つまり、あまり男性の知り合いがいない。
普通ダンスを頼むのは男性からで、私から誰か適当な人に頼む訳にもいかないのだ。
どうしよっかな。
部屋に響く声にはっとする。
「ロイ・シアーズ様と、エラ・フォーサイス様です。」
やった!来た!
私がそちらを向くと、みんながロイとエラを見ているのが分かった。この国一の美男美女カップルだろう。しかも、未来の国王とその妃だ。注目しないはずがない。
「あのドレス、ロイ殿下の髪や瞳と同じ色よ。」
「仲がよろしいのね。」
「エラ様なんて美しいの!?」
「エラ様みたいになりたいわ!」
「ロイ殿下、エラ様にぞっこんみたいよ?」
「あんなに綺麗なんじゃ仕方ないわ。」
そんなご令嬢の声が聞こえる。
そうでしょう?あの二人は本当にいいカップルでしょう?
私はニヤケが止まらないので扇で隠す。
入口の扉が閉まる。
やばい!すぐダンスが始まっちゃう!
私がキョロキョロ辺りを見回すと、こちらに向かってくる1人の男性を見つける。
でも、その人は私にダンスを申し込む訳が無い。
しかし、彼は私の目の前まで来て、こう言った。
「私と踊っていただけますか?レイラ嬢。」
それは、オースティンだった。




