ほくそ笑む令嬢 レイラ・ボールドウィン
エラ様が、涙を流している。わかるわぁ〜。
私も、久しぶりに和菓子作ってる間、涙でそうだったもん。勿論水気を入れないために、目の中で留めたけど。
「レ、レイラ様。私、この世界には甘いものが全くなくって、一時は禁断症状が出るんじゃないかと思ったんです。もしかして、貴方様は、神様ですか?」
甘味の力は半端ないね!かわいこちゃんが私を崇めてるよ。
「さて、エラ様。質問です。このどら焼きを手に入れるために、エラ様は何をしなければいけないでしょーか?」
「……」
エラ様は少し考える素振りを見せる。今の話の流れからして、わかるでしょう。
「……土下座?い、いや。スライディング土下座?違うわ。スライディング土下寝ね。やったことないけれど何とか行けると思うの。」
エラ様はおもむろに立ち上がった。この令嬢にはプライドと言うものがないのか。
「違いますわよ。」
私はため息をつく。
「確かに、神の御業をくださるのだから……」
「ヒロインをやってくださればいいんです。ここで、証明書を書いてくだされば、このどら焼きはお渡ししますわ。中々いい条件じゃありませんこと?」
「ひ、ヒロインって、何をすればいいんですの?」
よし。食いついた。私はほくそ笑む。
「私の教える行動や言動をして、ロイとの仲睦まじい様子を見せてくれればいいのです。」
悩んでる。もう一押し。
「学園在学中のみで、結構ですわ。その後はスローライフでも、なんでもやってよろしくてよ?」
「どんなストーリーなんですか。」
落ちた。(ガッツポーズ)




