驚嘆する令嬢 レイラ・ボールドウィン
「え、にほんじん?」
私が困惑していると、
「ち、違うのよ。なんでもないの!」
と、焦って隠そうとするエラ様を見て、カマをかける。
「笑って〜?」
「いいとも!」
はい、確定。拳を振り上げる姿、可愛いんだけど。やっぱ、タ○リさんは安定だわ。
「エラ様も、日本人だったんですか?!」
「レイラ様もだったのね!」
はぁ。びびった。でも、仲間がいるの結構嬉しい。
じゃあ、もしかしたら……
「エラ様も、この世界が乙ゲーだって、知ってるんですか?!」
携帯小説とかでよく読むパターンでは、大体前世の記憶持ちはその世界の記憶も持っている。
私のように。
「?いいえ?」
「そうなんですか。知ってます?海と奇跡の妖精姫っていう乙ゲーなんですけど。」
「ごめんなさい。私、あんまり乙ゲーとか、詳しくなくて。どっちかって言うと、漫画とか、小説の方が好きだったのよ。」
残念。
「そうなんですか。エラ様はヒロインなのに、残念ですね。でも、大丈夫です!私がエラ様をハッピーエンドに連れていきますからね!!やっぱ、ロイが1番かっこいいですもんね。婚約者にするなんて(このルートに入るなんて)見る目ありますね!!!」
推しキャラが被ってて嬉しいのにはかわりない。私が目を輝かせると、エラ様は言った。
「待って。あなたはどのポジションなの?」
「悪役令嬢ですよ。」
「じゃあ、ハッピーエンドって?」
「エラ様のロイとの結婚に決まってるじゃないですか〜!」
沈黙。エラ様が固まっている。
数分後。エラ様は、私に向き直り、言った。
「私、ヒロインの座をあなたにお譲りするわ!!!!!」
私は固まった。
数秒後。
「ええぇぇええええーーーーーーーーーーーーーーー!??!」
最近、エラ様と打とうとすると、偉様やERAさまと出てくるのが悩みです。




