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2話 私は海が近い家でスローライフを送りたいです

さて、どうやって婚約破棄しよう?

ロイに、好きだと言ってしまった手前、もう、嫌いなんて言えない。それに、ロイに嫌いなんて嘘でも言えないわ。あの輝く瞳で見つめられたら嘘なんてつけないわ。

かと言って、ロイに嫌われたくない。

だって、ロイは私の癒しなのよ?ロイの可愛さは天下一品だし、幼さゆえの行動やら言動やらが可愛くてたまらない。スローライフまで遠く長い道程を歩む上で、必要不可欠なんだよなぁ。


嫌わず、嫌われず。それで、婚約破棄する方法?


そうよ!

私は指をパチンと鳴らした。

ロイに好きな人が出来ればいいんだわ!






「ねぇ。ロイ。貴方、気になる女の子はいないの?」

ロイはきょとんとした顔をした。

「エラですかね。」

「それ以外には?」

うーん。と、ロイは悩む仕草をする。

こういう所があざといのよね。あぁ。もうっ。可愛い!

「僕、エラ以外の女の子に会うことがないです。」

そうか。確かロイのお友達として王宮の出入りを許されているのはロックウェル公爵家の子息と、トレス侯爵家の子息だった。今考えると、ロイの令嬢のお友達って基本将来の王妃候補も視野に入れて考えるから、私はパスできたけれど、中々厳しい審査があるはずなのよね。

そう考えると、ロイがご令嬢に会うのはまだまだ先……

社交界デビューは15歳。あと、8年もあるわ。

まぁ、それまで気長に待ちますか。

王子なんて優良物件、ご令嬢たちも、放っておかないでしょうし。それに、社交界に出れば気になる女の子のひとりやふたり現れるでしょう。


私はロイにもうひとつ気になっていたことを尋ねる。

「そう言えば、王宮から海が見える場所があるって聞いたけど本当なの?私、今まで海を見たことがなくって、1度見てみたいのだけれど。」

前世で見た、美しい海が忘れられず、スローライフのときは海に近いところに住もうと決めていた。その下見をしたいと思っていたのだが、生憎まだ7歳児の公爵令嬢には王宮とわが家しか行き来が認められていない。

うちからは、海は見えないから残念に思っていた。するとミアがそう言えば知り合いの王宮付きメイドに聞いたことがあると教えてくれた。

ロイはうーんと考えてから、ふと気がついたように言った。

「ああ。お母様のお部屋から見えますよ。」

わぁーお。


王・妃・宮


流石に入れないわ。海を見るのは暫く先かなぁ。


「エラは、将来毎日見れるようになりますよ」

照れながらロイが呟いた言葉は、私の耳には届かなかった。

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