クラスメートのキャラがたちすぎです
逃げるように教室へ向かうと、居た。
あいつらが居た。
「おはよう、エラ嬢。」
「よぉ。エラ。」
ヒューゴとオースティン。
遙か昔のお茶会で出会ってから、ずっと付きまとわれてる。あいつらはかなり面倒だ。
なんか、私を女の子を口説く練習台にしているみたい。ロイがそう言っていた。だから、駄目出しを付けてお返ししている。前は口説く内容が、キザすぎてかなり、引いた。
「綺麗なお花ですわね。」
「君の方が綺麗だよ。」
そう言われた日には寒気が止まらなかった。あれを言ったのはヒューゴだっけ。恋愛小説を読んでお勉強したそうだけど、恋愛対象に見ていない相手に言われたら恐怖だ。
私は、好きな女の子を振り向かせる方法を指南しているのだから、そんなこと言われたら一瞬で逃げられる。
そういうことをお小言付きで言うと、いつも嘆き始める。
「俺がいけないのか?」
とか、
「エラが顔を赤らめたところを見たことが無い」
とか。
そうだ。私の顔を赤らめさせるなんて100年早い。
そう思っている。
「よぉ。エラ。俺たちみんなこのクラスだぜ。」
「あら、騒がしいことになりそうですわ。あ、でも、ウィルは……」
チャイムが鳴った。それと同時にドアが開かれる。
「座ってください。」
入ってきたのはウィルだった。ウィルは私の5つ上だ。学園は15歳から18歳までの貴族の子息、令嬢が通う。なぜ、ウィルが?歳的に無理だ。
「このクラスの担任となる、ウィリアム・ウォードです。よろしくお願いします。担当は剣技です。」
わぁーお。納得。しかもあいつ、こっちに目配せしやがったぜ!もう、全て理解したわ。
どうせ、心配性のお母様と、過保護なウィルが結託して、
「エラの護衛にウィルをつけなきゃ!」
「私はエラ様のためなら、教師にもなる所存です。」
とか、お父様に言ったんでしょ?
それでお父様は、「面白いっ!」って、OKしちゃったんでしょ?
公爵家の権力怖っ。なにしてんのよ。
私はウィルを睨みつける。しかし、ウィルは慣れた様子で私の睨みに気づかない様子でHRを続ける。
改めて、周りを見回す。
ロイ、オースティン、ヒューゴ、ウィル、そして、レイラ様。
キャラ濃っ!




