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イラーリ・シアーズ

お兄様は、私のことを可愛いと言って、一緒に遊んでくれて、優しくしてくれた。


1年前までは。




お兄様は定期的に婚約者候補の女の子とお茶会をさせられていた。でも、今までお兄様が気にかける女の子はいなかったし、これからもそうだと思っていた。だから、エラなんちゃらっていう公爵令嬢について輝いた瞳で話された時は、とっても驚いたし、絶対会ってお兄様にふさわしくないと、言うつもりだった。


でも、その子が来るのは私がお勉強する時間で、どうしても会いに行けなかった。何度か脱走しようとしたけれど、見つかってお説教されるのがオチ。


そんなこんなで1年経ち、お兄様がその子と婚約してしまった。エラなんちゃら許すまじ!




とある日、家庭教師の先生がちょっと席を外しているうちに、抜け出せた!ここからは鬼ごっこ。侍女たちに見つかるか、お兄さまを私が見つけるか。


そして、私は遂に勝った!温室に入ると、お兄様が目に入る。そして、可愛い女の子_______________エラなんちゃらも。


計画通り、あの子に色々と言ってやったけど、全然反応がない。イラつく!

私は近くにあったティーカップを手に取りあの子にかけた。


でも、あの子の護衛が庇って、あの子は無傷。全然悪くない人が、私のかけた紅茶をかぶっちゃって、凄く慌てた。


「あなたが悪いのよ!」

そう言って、何回も言うのに、あの子は全然こっちを向かない!なんなの!?私の言うことを無視するなんて!!!


そんなことを思っていたら、あの子が怒り出した。冷えた笑みを浮かべて。

すごく怖くって、言ってることは正しくて。

泣きたいけど、泣けない。


あの子が出て行ったあとも、悔しくって悔しくって。

もう、あの子には負けたくないわ!

これで、幼少期を終わりとします。幼少期は結構登場人物の紹介に使ってしまったので、次の学園でのお話はもう少しストーリーに使いたいな、と思っています。

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