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魔王討伐
なんとなくで異世界転生もの
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私は勇者に倒された。果たして何組目だっただろう。
『魔王を倒す』という偉業を果たした一行が喜ぶ姿が見える。
私という統治を無くした魔獣達が一斉に襲いかかり、一匹が勇者の頭に食らいついた。首がちぎれ、体は別の口に食われただろう。こうして勇者一行はあっけなく全滅した。
魔王を倒したということは知らされず、また新しい勇者と魔王ごっこが始まりでもするのだろう。
ようやく死ねる私にはもう関係無いことだが。
体の感覚はとうに無く、遅い死を待った。今勇者が死のうと、私の死は確実なものだ。
自身で思っていたより懐かれていたのか、遠くに、重なった遠吠えが聞こえる。見送られることに悪い気はしない。
やっと、私は、生きることから解放された。