ミラージュ・プレスの実力結果と変な女
ババアに休むことなくしごかれた翌日おれは試験の点数を確認しに学園へと来ていた。
どうやって移動したのかは飛んで来たのだ。遠目から見える学園の様子を見て思った。
人がゴミのようだと。それほど学園には大勢の人が集まっていた。
飛んでいくと目立つので徒歩で行くことにする。
学園につくと、速攻で得点板を見に行く。
この学園は人数無制限の入学試験をしていて、点数によってクラスが割り振られる。
人数無制限と言っても最難関の学校だ。合格率はせいぜい10%がおおいところだという。
その分受ける人も多いのだろうが。
得点板が見える。おれは2位だった。
1位 リンシア・ライト
筆記試験 892点 実力試験 1980点
総合得点2872点
2位 ミラージュ・プレス
筆記試験 2000点 実力試験 754点
総合得点2754点
3位 フローラ・エレメンタル
筆記試験 753点 実力試験 1853点
総合得点2606点
4位 ラビット・ダーク
筆記試験 729点 実力試験 1798点
総合得点2527点
5位 ライトニング・ノア
筆記試験 765点 実力試験 1598点
総合得点2363点
どうやら筆記だけブッチギリで1位らしく、実力試験はともかく、筆記試験だけでのし上がっている状況だ。
1位が圧倒的な実力をみせて、10位まで続いて、11位以降を突き放している。
ちなみに11位からの総合得点は1500を切っている。
得点板を見ていると周囲の視線が俺へと向いていることに気がついた。
周囲を見渡すと敵意の視線、好奇心の視線、哀れと思われているのか、同情まで感じる。
服装は慌ててきたため、ババアのせいでボロボロだ。フードを被っているため、顔は分からないだろうし、見えても認識阻害の魔法を使用しているため顔は分からないはずだが。
周囲は綺麗な服装でオシャレもしながらといった感じで来ている。そのため服のせいだと思い込んで再び得点板をみつめる。
得点板にも色々あって俺が見ているのは1位から100位までの得点板だ。
それから101位から1000位の得点板
1001位以降へと続く三種の得点板があるのだが、服と怪しさが混じりあって、しかも1位から100位の前にいるから、周囲から注目されているのだがあまり視線もなにも気にしていないようだ。
しばらくすると声が聞こえてきた。
「君ー、ちょっとー君ー」
誰か呼ばれているようだ。俺ではないと思うのでスルーしておく。
「おーいきこえてるー?横見て横」
横を見てみるとなんか、変な女がいる。
俺ではないと思うので再び前を見る。
「ちょっと、一度見て無視しないでよ!」
「もしかして俺のことか?」
「もしかしてじゃないわよ!馬鹿!
一度認識しといて何よ!」
バカとはなんだ。バカとはババアにすら言われたことはないのに、むしろ賢いと言われている。頭だけは褒められた。
「私はここの教師よ。怪しい人がいるって言うから来たの。ちょっとこっち来て。」
女が腕を掴んで引っ張ろうとしたので、地面と自分を固定する魔法を無詠唱で唱える。
「うっ、重たい。そんな小さな体のどこにこんな。」
「お前も十分に小さい。それに怪しいとは失礼な、ここの受験生だぞ。」
その瞬間周りがどよめいた。
あんな奴が……
ここにいるってことは、
え、うそでしょ。
「あなたの受験番号は?」
「答える義務はないし、第一失礼なやつに言わない。」
おれの目的は果たせたので、飛んで帰ろうとする。
「ちょっと待ちなさい。てか早!」
それを飛んで追いかけようとするチビ教師だったが、追いつけず諦めたようだ。
全く散々な目にあった。注目されるわ変な女には絡まれるわ。
これからの学園生活がとてもめんどくさいなぁ。