第46話 とりあえず、がんばろぅ
ブクマありがとうございます。
だいぶ更新に間があったにもかかわらず、200近いアクセスがあるのに驚きと感謝です。
巨乳ちゃんが頑張って次の依頼を見つけてくれるまで、俺は引き続き用水路の掃除を頑張ろうかな。
「それじゃ、次の依頼が見つかるまで、用水路の掃除を継続してもらって良いかな?」
「わかりました。それでは、今の依頼を継続するよう処理しておきますね」
「お願いします」
滞りなく全ての手続きが終わったので、俺はルウを連れて冒険者組合から出ようと、扉に視線を向けた時、不意に巨乳ちゃんに呼び止められた。
「ハルト様、一つだけ忠告なのですが、あまりルウさんを連れ回さない方が良いと思いますよ」
「ん? なんで??」
「その……、ルウさんは身なりも整ってますし、外見も、女の私から見ても羨むくらいの顔立ちですから……、色々、良からぬ事を考える方も出てくると思います。いくらルウさんのレベルが高いとはいえ、一見するとか弱く見えますし、不意を突かれたり、複数を相手に抵抗出来る保証もありませんから、出来るだけリスクを避けるべきだと思いまして……」
「あー……、この前みたいな変なのとか寄ってきても困るしなぁ」
それに、今の俺じゃルウを守れる自信なんか全然無い……。
「でも……、ルウがなぁ、俺から離れたがらないし、外では1人にさせられないからなぁ」
「だいじょぶ、……ルウが守る」
なんだかなぁ……、どっちかって言うと守りたいのは俺の方なんだけど。
「そうですか、……それでしたら。フードか帽子等で目立たない様にされてはどうでしょうか?」
「フードか帽子か……、そうだな、……少し、考えてみるよ。ありがとう」
配慮が足りない俺に忠告してくれた巨乳ちゃんに挨拶を済ますと、俺達は冒険者組合を後にした。
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「クリスティーナさん、少し、教えて欲しい事があるんですけど、大丈夫ですか?」
冒険者組合から帰った俺達は、クリスティーナさんを含めた3人で、いつもの様に夕飯をすませた後、教えて欲しい事があると切り出した。
「何かしら? 私で分かる事なら構わないわよ」
「えと、今日依頼の報酬でお金を貰ったんですけど……」
「あら、初めての報酬よね? 頑張ってるわね、おめでとう、ハルちゃん」
「あ、ありがとう、ございます」
何か、改まって言われると、変に照れるな。顔が少し熱い……。
「あの、それで。今日貰ったのが賎貨なんですけど、その……、いまいち価値が分からなくて、恥ずかしい話しですけど、これ1枚でどれくらいの物が買えるのか知りたいんです」
「は? ……あ、ごめんなさい。ハルちゃんだものね、分からなくても仕方ないわよね」
いや! 俺が常識無い全然ダメな子みたいに言わないで! ハァ〜、地味にヘコむわぁ。
「そうねー、知らないままだと今後の生活にも差し支えるだろうし……。分かったわ。教えてあげるから、しっかり聞いて覚えるのよ」
「すみません……、助かります」
そして、俺はルウと2人で、クリスティーナさんから、この国の貨幣について教えてもらった。
まず、この国ーー帝国には、金貨、銀貨、銅貨、賎貨の4種類の貨幣が流通している。
それぞれの貨幣は、金貨1枚が銀貨10枚と等価、銀貨1枚が銅貨10枚と等価、銅貨1枚が賎貨100枚と等価になっている。
村や小さな集落だと、賎貨しか見た事が無いのが普通で、物々交換と併用して生活するのが一般的らしい。
街に住んでいる場合でも、庶民は銅貨か賎貨を使うのが主で、銀貨を手に出来たら中流階級だと、一種のステイタスになっている感じだ。
金貨の場合は、手に出来るのも使うのも、基本貴族や大商人と呼ばれるような上流階級に限られてしまい。一部、冒険者でも金貨を扱う事が出来る者は、Aランク、Sランクと呼ばれる一流の冒険者に限られている、下位ランクの冒険者が金貨なんて持ってたりすると、窃盗や強盗、盗掘なんかを疑われてしまうから、もし何らかの形で金貨を手にしても、使ったり見せたりしない方が良いと念を押された。
そして、一番大事な貨幣の価値についてだが。
子供のお小遣いに賎貨1枚みたいな感じで、賎貨1枚あれば、一口サイズの干し肉とかおやつみたいな感じの食べ物が買えるくらいの価値らしい。
まぁ、色々例えを聞いた感じから、元の世界の金銭感覚で考えると、賎貨が1枚で10円くらい、それが100枚で千円。
なので、銅貨1枚が千円になって、10枚で1万円。
だから、銀貨1枚は1万円で、10枚だと10万円。
で、最終的に金貨は1枚で10万円くらいの価値があると考えて、概ね間違ってなさそうな感覚だった。
こう考えると、確かに10万円札とかあったらそんな簡単に使えないし、持ち歩くとか怖いし、一般人がいきなり10万円札とか出したりしたら、確かに盗んだとか疑われそうな気がするし、普通に生活するだけなら両替もしにくく、使い勝手が悪い金貨なんて不要だなって感じるな。
とまぁ、こうやって貨幣の価値もだいたい理解出来たところで、今回の依頼の報酬で貰った賎貨21枚だけど……。だけど…………。
え? 何コレ? 一週間毎日働いて……、臭いのも汚れるのも我慢して……、あんなに頑張ったのに……。
報酬貰ってメッチャ喜んだのに!
一週間の給料が! 210円!!
日給30円て! 30円て! どんだけブラックだよ!! うちの会社の安月給だってここまで酷くはなかったぞ!
クリスティーナさんの言ってた意味が漸く理解出来たわ!
一週間働いて、給料が食費1日分くらいにしかならないとか、どんなムリゲーだよ!
生活基盤が無かったら、こんな報酬でFランクが頑張れる訳ないじゃないか! 名声値を100貯める前に確実餓死するわ!!
それを考えたらクリスティーナさん様々だよな……。
部屋にベッドに食事にお風呂……。
当たり前だと思ってた物がもし無かったら? 俺達もスラムで路上生活する事になってたら? 多分そうなってたら、2人共とっくに餓死してたかもしれない。
俺達は運良くクリスティーナさんと出会って、好意でここに置いてもらっているけど、助けて貰うばかりで、何一つクリスティーナさんに返せていない……。
冒険者になるとか啖呵切っても、子供の小遣いみたいな額しか稼げない駄目男で、タダ飯喰らい、ルウを守るどころか守られて、挙句に助けられてる様な有様で、俺は……、このままで良いのか?
こんなんで、ホントに冒険者になれるのか?
もっと頑張らないいけないのは分かってる……、だけど、ーーどう頑張れば良いのか分からない。
本当に、俺は、これからどうして行けば良いんだろう? 良くあるラノベの主人公みたいに、思いつくまま行動して何とか上手くやって行くとか、そんな事が俺にも出来たら良いのにって思う。
現代知識でガッツリ儲けるとかも、大した知識が無い俺には無理そうだ……。
こんなんじゃ、欠陥品どころじゃなく、ただの不用品だろ。
何もまともな事が思いつかない以上、歩き始めてしまった今の道を、一歩づつ進んで冒険者を形にするしかないよな……。
ハァ〜〜、とりあえず、がんばろぅ。




