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第20話 ずっと側に居て欲しいよ!

ようやく20話ですねェ。

話しが中々進まなくてすみません。

 それにしても、大鼠みたいな化物が居るなら、どうしてマリアンさんは何も言ってくれなかったんだ?

 俺のステイタスを知ってるマリアンさんが、何も注意を促さなかったのは何でだ?

 あの大鼠は、俺の貧弱なステイタスでも勝てる相手って事か?

 くそっ、こんな時こそ鑑定の出番だってのに……、多分鑑定を使えばまた気を失ってしまうだろうしな。

 そもそも、死んだ相手を鑑定して能力が見れるのか……?

 HP、MPだけでも分かれば強さの目安くらいにはなったんだが。


 でもーーさっきのはルウが居なければ……、いやーールウが魔法を使えなかったら、俺は確実に死んでたぞ……。

 ルウが魔法を使えるなんて……、ルウのあの様子からじゃ、ついさっき使えるのに気付いたって感じだろ?

 なら、マリアンさんはルウが魔法を使えるなんて知らなかったはずだ……。


 なら、何故マリアンさんは俺に大鼠の事を教えなかった?

 ただ単に言い忘れただけか?

 でも、少し一緒に居ただけだけど、マリアンさんは大事な事を伝え忘れたりする様な人じゃないって、そう感じた。


 なら、意図的に隠してたって事か?

 大鼠の事を隠して、マリアンさんに何の得がある?


 …………まさか! ーーそんな事は思いたくないけど……、俺を此処でーー殺すのが目的か? 笑顔の裏でそんな事を考えていたのか?


 ーーイヤイヤイヤ、いくら何でもそれは!

 それは……、流石にーー。


 いや、イヤイヤまて。

 落ち着け、落ち着け……落ち着いて考えろ。

 いくら何でもそれは飛躍しすぎだ。


 マリアンさんが俺を殺すつもりなら、他にも方法はあった筈だ。

 魔女の居る場所に誘導して戦わせるとか……。

 いや、それは俺が魔女から逃げてしまう可能性の方が高いから確実じゃないか……。


 なら、後ろからマリアンさんが魔法で俺を殺せば良かったんじゃないか?

 マリアンさんにいきなり攻撃されてたら、俺は簡単に死んでた筈だ。

 記憶が無くて魔法も使えるか分からないルウが居たって脅威では無かった筈だしな。

 考えれば考える程分からない……。


 俺がネガティブ思考過ぎるのか? 考えすぎているだけか?


 いや、でも、俺が落とした石版を見つけたからって言っても、マリアンさんは都合良く現れすぎじゃないか?


 あの無駄に広い城内で、偶然落とした石版を見つけて、偶然俺達に合流出来るものなのか?

 体感だが、城の広さは半端ないぞ。

 簡単に考えても、関西国際空港の敷地全部使っても足りないんじゃないかって位の広さはあると思う。

 外から見た訳じゃないから、その例えが正しいかは分からないけど。


 しかし、そんな広大な城を彷徨ってる俺達を、探してたってだけで見つけられるものか?

 ダメだ! 考えれば考える程マリアンさんを疑わしく思ってしまう。


 偶然にしては出来過ぎな感じ……、しかし、殺すのが目的にしては、やる事が間接的で確実性に欠ける気もする……。

 それに、俺を殺すつもりだったなら、武器を必要ないって言った俺に、武器を持たせた意味も分からない……。


『私はーー、勇者様ならいつかあの魔女を倒せると、信じています』


「ーーーー」


『ちゃんとルウさんの事、守ってあげて下さいね』


「ーーーーっ」


 不意にマリアンさんの言葉が脳裏を過る。

 違う! マリアンさんはそんな人じゃない!

 マリアンさんが俺を殺すって……、俺はバカか! あの人がそんな事する訳ないだろう。

 確かにオカシイと思える事はある。

 でも、ただの偶然かも知れない! 大鼠の事も、たまたま言い忘れただけかもしれない!


 ちょっと死にそうな目に合って、大鼠の事を教えてもらわなかったからって、マリアンさんを疑うとか……最低だ、俺は……。


 何かあったら誰かの所為とか、誰かに騙されたとか思ってしまうのは俺の悪い癖だ。

 今は、兎に角切り替えよう……。


 ずっとここに居ても仕方ないし、また別の大鼠が来ないとも限らないから、今後の方針を決めてサッサと此処から移動しよう。


「ルウ、ちょっと良いかな? 此処から先の事なんだけど。この先も、またさっきみたいな大鼠とかと出会う可能性があるんだけど。次に出て来たら、……俺が、何とか……何とか頑張ってみるから、ルウは出来るだけ手出ししないで離れてて欲しいんだ。」


「……どうして?」


「えっ? いや、どうしてって……。どうしてもだよ。戦いは俺が何とか頑張るからさ、だからルウは怪我しないように離れてて欲しいんだよ」


「ハルト、危ないよ……。私が、魔法でーー」


「ダメだ! ルウは戦わないで!」


「ーーっ」


 あっ! あぁ、何やってんだよ、俺は……。

 つい、反射的に怒鳴ってしまったけど……気不味い……。

 急に俺に怒鳴られて、ルウが俯いてしまってすごく落ち込んでるみたいだ。

 気持ちを切り替えようって思ったばっかなのに、さっきのもやもやとルウの否定が重なって、つい怒鳴ってしまった……。


 でも、ルウが自分の意見を言ったのって初めての事じゃないか?

 さっき俺が死にかけて、頼りない姿を見せたから、ルウは俺を心配してくれたんだよな……。

 それなのに、俺は……、自分の意見が否定されたからって怒鳴って……最低だ。


「その……ゴメン、怒鳴るつもりじゃなかったんだけど……いや、ゴメン。えっとさ、その、ルウは、魔法使えるだろ? だから、相手が動き回ってたら狙いも付けれないし……。ルウに飛びつかれたら魔法使えなくなるからさ、俺が相手を足止めして戦ってる間に、離れた所から魔法で援護してくれればなぁーって、思ってさ……」


 何かグダグダな言い訳みたいになってるなぁと思いながら、ルウの様子をチラ見する。


「ルウは……居たら迷惑?」


「え!? め、迷惑とか、そんな事ないよ! すごく助けてもらってるし! ルウが居なかったら、俺全然ダメだし! ルウが側に居ないとか考えられないし! ずっと側に居て欲しいよ!」


「ーーーー」


 沈黙……、えっと、咄嗟に何か色々言っちゃったけど、何か俺マズった?


「ーールウも、ずっと、一緒が良い」


 突然ルウが胸元に飛びついて来たーー。

 え? え? えぇェーー!

 何! 何で抱き付いて!

 ちょ、ちょ、俺さっき何て言ったぁー?


 というか、美少女に抱き付かれるとか……。

 あぁ、もう死んでも良いーー。

 えと、それよりさっき俺何て言った?

 ルウにずっと側に居て欲しい、とか何とか?

 ーーーーえ〜と、…… いや、もしかしてプロポーズっぽい意味で取られてる?

 ルウもって事は……ゴクリ、どこまでオッケーなんだろ。

 恋人関係くらいはオッケーなんだろうか……。


 いやいや、でもまだルウはお子様だしなぁ。

 そういう深い意味は無くて、単に一緒に居たいってだけかもしれないしなぁ。

 そもそも、いつフラグが立った?

 ルウからのフラグが立つ様なイベントは無かっただろ?

 えっと、幽霊呼ばわりして勝手に怯えたり、気を失って倒れたり、歩き回ってへばってたり、着替え覗いたりって、碌な事してねぇー!!

 いや、マジで、何でフラグ立ったんだ?

 どっちかって言うとフラグへし折る事しかしてないよ?

 女心ってマジわっかんねぇー!

 でも、まぁ、俺的にはかなりオイシイ状況ではあるんだけどーー。

最近書いてて思うのですが……。

『これ、他人が読んで面白いと思ってくれてるのだろうか?』とか、

『ちゃんと小説を書けてるんだろうか?』と言った疑問を感じ始めてます。

まぁ、完結しない良い作品より、完結した悪い作品の方が上とか聞きますので……。

どんな形でも完結目指して頑張ろうとは思ってます。

小説書くのって難しいですよね〜。

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