表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/48

第14話 剣ってこんな重いの?

ブクマありがとうございますm(._.)m

ブクマ1つでも結構ヤル気って出るものですね。

まぁ、ヤル気は出ても執筆が遅いのはご愛嬌と言う事でご容赦下さい。

 とりあえず、服と靴は手に入れたし、次はジャージを入れる鞄みたいなのが欲しいな。

 さっきはアクシデントで鞄の事とか聞くどころじゃ無かったしね。

 一度、マリアンさんに鞄が無いか聞いてみるか。


「マリアンさん、ジャージを持って行きたいんだけど、何か入れる、鞄みたいなのとか無いかな?」


「それでしたら……、これはどうでしょうか?」


 マリアンさんは近くの棚に移動し、小さめのリュックサックの様な物を手に取ると、こちらに見せるようにしながら言った。


「あーーそれで良いです」


 そんな近くに有ったんだ……、全然気付かなかったよ。

 覗き騒動でちょっと気が緩んだけど、早く逃げなきゃで、焦りとか、不安とか、色んな事で回りが見えてなかったのかもしれないな。


 今は……、大丈夫。まだ色々不安で怖いけど、焦ってない。

 焦ったって仕方ない、焦っても良い事は無いし、落ち着いていこう。

 今はマリアンさんに任せて付いていくしかないんだから。


 ハルトは、一度深呼吸してからリュックサックを受取るとジャージを中に押し込み、一緒に置いていた石板をどうしようかと悩んだが、一応持っていく事にして、それもリュックへと詰め込んだ。


「えっと、これで準備は終わりかな?」


「後は、護身用に武器を持った方が良いでしょうね。勇者様はどんな武器が扱えるのでしょうか?」


「えっ? イヤ、武器とか、そんなの使った事ないしーー」


「えっ? そうなのですか? それは、困りましたね……。私は魔法が専門なので、刃物の類はそれ程詳しくは無いのです。とりあえず、勇者様が扱えそうな物を探すしかないですね」


「そ、そうですね……」


 いや、扱えそうなって言われても、刃物なんて包丁とかカッターナイフ位しか使った事ないんだけど……。

 剣ーーとか持ったって、ちゃんと使えるのか?

 それで戦えとか言われても、まともに戦える自信なんかないぞ……。

 でも、武器が必要って事は、それを使わないといけないーー敵が居るって事だよね。


「あ、あの、マリアンさん? その、一つ聞いて良いかな?」


「はい? どういったご質問でしょうか?」


「えっと、武器が要るっていうのは、やっぱり、この城を襲って来てる相手用って事かな? それなら、別に武器が無くても早く逃げれば良いのかなって……」


「いえ。外に出るなら武器は必要です。野党や魔物から身を守る術は必要ですので」


「魔物……、やっぱり居るんだ、モンスター……」


 魔物ーー戦えるのか? 剣とか憧れはあるから使ってみたい気持ちはあるよ。

 でも、実際にそれで戦えって言われても、勝てる気がしない。

 よくあるラノベだと、それが当たり前みたいに剣を持ってバシバシ敵を倒したりするけど、俺には無理な気がする……。

 そもそも、魔物とか言っても生物を殺したり出来るのか?

 例えば、犬とか猫とか、襲って来るから、危険だから殺さないといけないって言われて、それで殺せるのか?

 ーー無理だ。

 そんな簡単に生物を殺せる訳ない……。

 まして、野党なんて、相手は人間だろ?

 刃物を使って、手加減して、傷付けずに倒すとかーーどんなムリゲーだよ!

 俺は剣の達人でも無いし、そんなの絶対無理だろ!


「どうされました? 勇者様?」


「あ? いや、俺には武器とか要らないんじゃないかなぁって、思ってさーー」


「どうしてですか?」


「いや、多分、剣とか持っても、ーー殺すとか無理だし。逃げる時とかさ、やっぱり身軽な方が良いかなって……」


「ーー武器は、相手を殺す為に必要なのではありません。たしかに、武器を使えば相手を傷付けたり、殺す事も可能でしょう。ですが、どんな物もどう扱うかは使う者が決める事です。勇者様が相手を殺したく無いのであれば、殺さない様に使えば良いと思いますよ」


「いや、でも……」


「そうですねーー例えば、相手が剣で斬りつけて来たとして、避けられない場合どうしますか? 素手で受け止めますか?」


「えっ、あ、いや」


「もし、ナイフの一本でもあれば、剣を受け止めたり、弾いたりする事が出来るかもしれません。それで、身を守る事も逃げる事も出来るかもしれません。そういった時の為にも、武器は必要だと思いますよ」


「そっか……、そう……だよね」


 道具は使い方しだいーー、マリアンさんの言ってる事は理解出来る、理解は出来るけどーーそんな都合良く使えるかって言われたら、無理な気がしてならない。

 でも、無いよりはあった方が良いなら、何か武器を持っていくべきかもしれない。


「分かった。何か武器を持っていくよ」


「それでは、こちらに来て下さい」


 マリアンさんに連れられ部屋の中を少し移動すると、剣や槍が並べられた場所へと着いた。


「あまり重い物は扱えないでしょうし、剣から選ぶのが良いかもしれませんね」


「剣か……、たしかに槍とか重そうだし、あんな長いの振り回して戦ったりしたら、色々巻き込んでしまいそうだし、それが無難かな」


 ハルトは、近場にあった剣を手に取ろうとしーー。

 ガチャン!!!

 落とした……。


「うわっ! あぶねッ! てか、何これ! むっちゃ重いんだけど」


 ハルトは、剣を片手で一瞬持ち上げたが、予想以上に重くて手を滑らせる。

 慌てて床に落とした剣を両手で持ちあげようとしたが、かなりの重量で持ちあげるのも困難だった。


「これ、いったい何キロあるの? 剣ってこんな重いの?」


「それは、帝国兵の標準的な剣ですが、鞘を含めてだいたい15キロ前後でしょうか? 刀身だけでも7キロ程だと思いますよ」


「えっ? じゅっ、ちょっと待って、そんなの片手で持つとか無理だし! 持ち運べないよ!」


 えっ? 剣ってこんな重いの? これが普通?

 15キロってーー、10キロのお米運ぶのだってヒーヒー言うのに、こんなの振り回すとか絶対無理だろ……。


「すみません、ウッカリしていました。勇者様のステイタスでは、それを扱うのは難しかったですね。たしか……、筋力7でしたか?」


 そう言いながらマリアンさんは、床に落ちたままの剣をひょいっと片手で拾い、元の場所に戻してしまった。


「えーーッ! ひょいって、ひょいって。エェーーーーッ」


 そんな簡単に! 女性が片手でひょいって持ち上げたよ!!!

 あんなに重いのに! なんで!?


「私は術師なので、それ程筋力はありませんが、それでも今の勇者様の倍程の筋力があります。持つくらいであれば出来ない事はありません」


「それは、ーーステイタスの差ってこと?」


「そうなりますね。今の勇者様の筋力でしたらーー子供が扱えるくらいの重さ、ダガーから選ぶのが良さそうですね……。それでは、こちらをお持ち下さい」


 あ、これなら持てるや。それでも、だいたい5キロくらいはありそうだけど。

 でも、俺のステイタスって子供並みってこと?

 それって子供より弱いって事なんじゃないの?

 イヤイヤイヤ、やっぱり無理だろ! この世界。

 子供より弱いとか、どうしろって言うんだよ!!

 やっぱり帰りたい! 今すぐ帰らせて!!


 ーーん?

 そうだ! 俺を召喚したのってマリアンさん達だろ?

 今迄状況に流されて、すっかり忘れてたけど、マリアンさんなら俺を元の世界に帰せるんじゃないのか?

 そうだよ、そうだ。元の世界に戻してもらえば良いんだよ。

 無理にこんな世界に居る必要なんてないだろ。

 帰れば良いんだよ。

 これで全部解決だ。うん、うん、良かった良かった。


「マリアンさん。俺を元の世界に戻してよ。俺をこの世界に呼べるって事は、戻せるって事だよね? どうせ居たって俺全然役に立たないし、帰してもらって良いかな?」

「そ……それは……」


 あれ? マリアンさんがすごく申し訳なさそうな顔してるーー。

 えっ? なにっ? もしかして帰れないパターンの異世界召喚?


「ーー申し訳ありません。勇者様を召喚した際に宝具が損壊してしまい、現状、帰す事は不可能なのです。その際、術師の多くが亡くなってしまいましたので、今のところ帰る手段は無いものと……」


「えっ? うそ? 帰れないの? マジで? じゃ、じゃあ、俺、これからこの世界で生きて行けって事? そのっ、宝具ってのは直せないの? それが直れば帰れるんじゃ……」


「宝具は、古代王朝の遺物で、修復は不可能なのです。それに、宝具自体も崩落で埋まってしまって……。本当に申し訳ありません」


「帰れない……、ホントに? 帰れないんだ……。ハハハ……」


 マジかよーー薄々帰れないんじゃないかって気はしてたけど、実際に帰れないって言われると結構ショックだよ。

 ホントに、これからどうしよう……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ