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【詩集】Shangri-La

野仏

作者: 野鶴善明

 山道のかたわらに

 野の仏

 おさない白菊が咲き乱れ

 遠い虚空に

 樵の音がこだまする


 み空を見上げて

 野の仏

 夢見るようなまなざしが

 風の歌を

 見つめている


  生きるから

  悲しい

  生きるから

  嬉しい

  生きているから

  躓いて

  生きているから

  笑顔が咲く


  そんなすべてを

  乗り越えた時

  こんなわたしにも

  なにかが

  見えるように

  なるのでしょうか

  たしかななにかが

  見えてくるのでしょうか


 激しい雨の日も

 野の仏

 やさしく

 ひたすらやさしく

 ほほえみながら

 冷たい滴に打たれる


 吹きすさぶ風の日も

 野の仏

 しずかに

 ひたすらしずかに

 ほほえみをたたえ

 頬打つ風を受け容れる


 山道のかたわらに

 野の仏

 だれを待つのか

 野の仏



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― 新着の感想 ―
[一言] 山道にお地蔵さんが立っているようなのどかな風景と、求道者の志とが同時に思い浮かぶような、いい詩だと思いました。 なんとなく、諸国遍歴して修行とかしていた昔の人も(今もでしょうけど)こんな風に…
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