表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翼の話  作者: 杉並よしひと
7/26

 

 川の水深は、だんだんと増して行き、とうとうズボンの股下を濡らすほどになった。

 僕は、幼いながらに、これは危ないんじゃないか、と思い始める。でも、その度に好奇心が勝ち続けて、僕の足は止まらなかった。

 中州は、だんだんと近づいてくる。

 あとどれくらいだろう。最初は弱く感じた川の流れも、だんだんと強くなって来た。川の深さも、今はもう腰くらいまで来ている。

 次の一歩を踏み出した。

 足を、ぬるぬるとした水底へとつけようとする。

 あれ? 届かない。

 もっと足を下げる。まだ、冷たい石の感触は、無い。

 残していた片足が、ふらつく。

 その瞬間、僕は、誰かに、自分の名を呼ばれた様な気がした。

 まずいと思った頃には、僕はもう川の中に転んでいた。

 冷たい水の流れを体中に感じて、僕はやっと、川に流された事を知った。

 ふと、僕の体に、何かが触れた。冷たい水の中でも、それはとても暖かかった。

 それが何かを確かめる間もないまま、僕の意識は遠のいて行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ