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川の水は、冷たかった。少し位はぬるいのかも知れない、と思ったけど、そんな事は無かった。身を切る様な冷たさが、足を締め付ける。
足に、水の強い流れが当たる。僕は、踏ん張って耐える。
僕は、川の中州を目指していた。河原や土手から見る川の流れは、もう見飽きていたのだ。中州から見る川は、どんな物なのだろう。川の上に立っている様な、そんな、面白い景色に違いない。
僕はそれを確かめたくて、一歩ずつ、歩みを進めた。
もうひとつ。
中州には、見た事ない様くらい、綺麗な花が咲いていた。