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翼の話  作者: 杉並よしひと
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 僕には小さい頃、一人の親友がいた。女の子だった。

 お母さんに聞いても、お父さんに聞いても、

「そんな子はいない」

 と言う返事しか返ってこない。姉ちゃんに聞いたって、

「夢でも見たんじゃないの?」

 としか返ってこない。

 確かに僕は、その女の子と、一夏の間、一緒に過ごした。野原で遊んだし、川でも遊んだ。一緒にお祭りにも出掛けたし、秘密基地を作って遊んだりもした。

 でも、彼女との想い出は、その一夏分しか無い。夏から後の記憶が、すっかり無いのだ。

 その夏の後、彼女はどこへ行ったのだろう? 何処にいて、何をしているのだろう?

 もしかしたら、本当にそんな子はいなくて、僕の妄想なのかも知れない。そう思うと、氷で背中をなぞられた様な、気持ち悪さを感じる。

 その事を考えるたび、僕は世界に一人だけ取り残された様な、そんな気がするのだ。


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