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初めての名前
ー掃除最終日。
その日は、生徒会の先輩たちと一緒に帰ることになった。終わるのが遅くなったため、女子だけだと危険だからということらしい。
私の両端には、沖君と前島君がいて、前には、坂下拓斗先輩と中井先輩がいる。
最近にして、やっと自分が少しずつ中井先輩にひかれているとわかった。生徒会に入る前は、自分のことだから生徒会にはいっている人を好きになってしまうかもしれない、それだとそっちに意識してしまい、仕事に身が入らないかもしれないから、好きにならないようにと思っていた。
だから気づいていても気づかないふりをしていた。だけど、今日。先輩が好きなんだと突きつけられた。
それは・・・
先輩の一言だった
「沖と前島で榊さんを守るんだよ」
少し面白がって言ったことだと思うし、先輩自身が守ると言ったわけではないけど、少し嬉しかった。
しかも、初めて名前を呼んでくれたこと。単純な私にとっては、それだけですごく嬉しいことだった。
そして、なんとか12月中には掃除は終わりになった。