出会いは突然に
私の名前は榊 那月。
野原M.H高校に通う1年生です。
入学してから半年、恋愛もせずにだらだらと学校生活を送っていた。そんなある日、文化祭の準備をしていると、
「ねぇねぇ那月、文化祭でさファッションショーあるから一緒に出ない?」
と高校で知り合った、親友の久保 柚月が私を誘ってきた
「えーうちスタイルよくないから嫌だなーでもちょっと興味あるかも」
「じゃー出ようよ!絶対に楽しいって」
ということで、私と柚月はファッションショーに出ることになった。
ー放課後。
申込用紙を取りに行くと、卓球部が終了の挨拶をしているところだった。邪魔にならないように静かに後ろを通り、用紙を手に取った。すると隣から、
「えっまじでファッションショーに出んの?」
と挨拶が終わった卓球部の前島君が驚きながら言った。
「そうだよ。でもさ用紙書き終わったらどこに出しに行けばいいのかな?」
「わかんね。あっちょっと待ってて先輩に聞いてくるから」
と言って走り去って行った前島君。
その時ふと思った、その先輩が男性で運命の人だったらいいのになー。と
足音が近づいてきて、連れて来たよと言って紹介したのは、男の先輩だった。
「その用紙は、生徒会室の前にあるポストの中に入れてね。生徒会室はわかる?」
わからなかった私は首を振って返事をした。
じゃーついて来てと軽い足どりで階段を上がっていった。その後を見失わないように、追いかけて行った。
「ここが生徒会室でこのポストの中に入れてね」
「はい。ありがとうございます」
名前も知らない初対面の私たちにここまで優しくしてくれた先輩に感謝した。
ー翌日。
いつも一緒に登校している綾沙に、昨日の話をした。
「どんな人だったの?名前は?」
「えっとね名前はわかんない。でも卓球部だってことはわかる」
と言っていると自転車に乗っている人の方に目線がいった。
「あっあの人だよ。昨日助けてくれた先輩は」
「あーあの人か」
「知ってるの?」
「知ってるもなにもあの人、生徒会の一員だよ。」
その言葉に驚いた。
それよりも、昨日初めて会った人の顔を覚えていたことにすごく驚いた。