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楠木裕貴という人

私がそういうと、宏樹はすんなりと離れてくれた。

だが、それのつかの間宏樹の顔がどんどん近づいてきた。


宏樹「深雪…………」


すぐに押しのけようとしたが男子の力には適わず、手も掴まれてしまった。


もう……だめっ!!


そう想ったとき、宏樹の後ろのほうでなにやら男の人が子供からボールを借りている。そのあとにその人は振りかぶってこちらに投げてきた…………って、えぇぇぇぇ!!??

ゴッという音と同時に宏樹は後ろにパタリと倒れた。

目を回しているらしい。そうしているうちにさっきの男の人がこちらに走ってきた。


??「あ~ぁ、宏樹さんってそういう人だったんだぁ?白昼堂々女の子襲ってるし……。先生に言いつけてしまうけど、いいのかな?いいよね?よし、言いつけよう」


深雪「襲っ!!??」


なにやら不可解な単語が聞こえてきたような気がしたのだが……。

それもはっきりとね……。


宏樹「裕貴っ!!」


いつのまにか気を失っていたのが戻り、裕貴と呼ばれた人に駆け寄った。

どうやら宏樹には友達がいたらしい。そりゃそうだよね、二年間離れていれば友達もできるよね……。


駆け寄った後に裕貴と呼ばれた人とじゃれあっていた。

怒ってんじゃないのかなぁ?と想ったものだが、和ましい光景だったためそのままにしておいた。


私とは、そういう表情をしたことあったっけ?と思いながら、考えていたところに宏樹と裕貴さんはこちらに向かって歩いてきた。


裕貴「へぇ~?キミが噂の幼馴染ちゃんだったりしてる?あれ?もしかしてそうだったりする?」


まわりくどい言い方だったな……。それがその人のやり方なんだろう。しかし、それと同時にずいぶんとテンションが高い印象だってことが第一印象になってしまった。


その人の服装は、制服の下に黒い長袖を着ている。髪の毛は前髪が長いらしいのか、カチューシャで上に上げている状態だった。制服の左胸のところには、十字架の刺繍がされており、簡単な制服だった。


ん?ゆうき?どっかで聞いたことのある名前だなぁ?

裕貴……ゆうき……『ユウキ』…………あっ!!!そうだった!!!


深雪「謎に包まれているといわれているミステリー小説家のユウキさんかぁ!!!」


そのとき、裕貴さんの目がきらりと光った気がした。

それ以外に恥ずかしいと思ってしまうことがあった。

大声を出してしまったからだね……うん。


裕貴「なに?キミまさかだと思うけどさぁ、俺のこと知っている系だったりする?」


そういって、裕貴さんは私の目を見てきた。いや、見つめて来たのほうが妥当だろう。つい、私はその目からそらしてしまった。

すると――――――――――。


宏樹「おい、深雪。小説のことでの相談って言うのはなんだ?」


――――――――――――あ、馬鹿宏樹め……。

私が宏樹の方を向いてブラックスマイルを見せてあげると『え?なに!?もしかして言ってはいけなかった?』などのことを呟いてごまかそうとしていた。

宏樹がそういったとき、裕貴さんの目が一瞬だけ冷たく見えた。

まるで、私のことを観察しているよう……尚且つライバル心に燃えているようで、急に私はその目が怖くなった。


すると、裕貴さんは宏樹を押しのけて私の耳元でこういった。


裕貴「ふ~ん?キミがあの『ミユキ』さんだったんだ?お互い、小説家として、頑張りましょうね?」


そして、私の耳に息をフッとかけた。


深雪「ひゃ……\\」


少しだけだが、体に電流が走ったような気がして痺れてしまった。

スッと離れてくれて、私をブランコから立ち上がらせてくれた。

っていうか、私はいままでブランコに座っていたのか……。


深雪「あ……ありがとうございます」


私がお礼を言うと、裕貴さんは『い~え♪』といって、宏樹の方に走っていって、宏樹と何かを話していた。すると宏樹は裕貴さんに何かを吹き込まれたのか顔を真っ赤に染めた。


その十分後、裕貴さんが『俺にメアド教えてくれない?小説のことでもいろいろ相談したいしさ?』といって教えてあげた。無理やりでもあったが同じ小説家として相談したいこともあったのかもしれない……。

そんなこんなで裕貴さんと別れた。


その後私と宏樹はその後について話し合おうとしてその公園にとどまった。


―――――

――――

―――

――


深雪「んで、幼馴染とする役は宏樹に決定ということになったかな」


宏樹「そっか、そっちは大丈夫だな。あ、お前さ何処の高校に行くことに決まったんだ?」


深雪「それはまだ決まってないらしいの、っていうか、明日のお別れ会のときに先生から発表されるらしいの」


宏樹「そうか」


ここまでしか、話は続かなかった。久しぶりに会った宏樹の事を意識しているのかもしれないという葛藤が頭の中でぐるぐると渦を巻いて回っていた。

私達はそのまま別れ、家にたどり着くことができた。

明日のお別れ会の準備が着々と進んでいる中、裕貴さんの小説が投稿されていて、後に影響されるとはまだ誰も知らなかっただろう………。


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