幼馴染
【深雪said】
深雪「宏樹…………」
私が幼馴染の小説のモデルとなってくれる宏樹が公園の入り口に立っていた。中三の冬から一度も会ってなくて、なんだか宏樹がかっこよくて見えて仕方がなかった。私は小説のモデルとして宏樹が一番適任だったため、宏樹にはメールでこう伝えた。
『小説のモデルになってくれないかな?
宏樹は私の小説のモデルが適任だから!!
幼馴染役としてやってほしいの!!
お礼はなんでもするから!!』
こう送っといて返事がこれだ。
『う~ん…モデルかぁ……。いいんじゃない?
俺にできることがあったら何でも言ってくれよ。
お礼は何でも良いのか?
なら、相当のいいものが良いよな?
まぁ、いいや。会えるときに確認しようぜ。
じゃぁ、今度な
追伸
また会えたらいいな』
これだけしか書いてなかった。
またって、どういうことだろう?
私、あの日から一度もあってないような気がするんだけど……。
まぁいいや。
宏樹は私の一番の幼馴染だ。
とある事情で私達は離れ離れになってしまい、宏樹も違う学校に行ってしまって自由には会えないことが多かった。
でも、「家族は…私には家族なんていないの?」と相談したときはいつも傍にいてくれたり慰めてくれたりと、とても頼りがいのある幼馴染だ。
私達は幼稚園から小学校、中学校と同じでクラスも離れたことは一度もなかった。
私が施設から通っていると宏樹にはいつの間にか知られていたようで、いつも一緒に帰っていた。
宏樹「深雪っ!!!」
宏樹は私の乗っているブランコまで走ってきた。
にこにこしていてなんだか可愛いと思ってしまうのは私だけの内緒。
そして、ブランコごと宏樹派は私を優しく、壊れ物を扱うように、包み込むように抱きしめた。
深雪「ひ、宏樹?」
首元に宏樹の息が掛かってきてくすぐったく感じてしまう。
走ってきたため息があがっていた。
宏樹「はぁぁ……、マジで久しぶりじゃん…二年ぶりだっけ?
お前、桜女子学園に行ったまま帰ってこなくて、もう俺、会えないんじゃないかって思って……。めっちゃくちゃ心配してたんだからな?」
心配している宏樹の顔が脳裏に焼きつきそうだった。
とっても、心配かけた……。
深雪「うん。私も会えなくて寂しかった。でもさ、会えたのは良かったんだけどさ、そろそろ離してくれないかな?」
だんだん私の顔に熱が帯びていくのが分かった。
感動の再会だってことは分かってるよ?うん。
だけどさぁ、この体制は無いんじゃないのかなぁ?
だってさ、昼前の公園のブランコに女子と男子が抱きしめあってるんだよ?
誰かが来てしまったら終わっちゃうじゃん!!???
はぁぁぁぁぁ。
今日はため息がたくさん出てくる日ですねぇ……って、のんびりしている暇なんて無いじゃん!!!!!!
どうすっかなぁ…
宏樹「はぁぁ…深雪……やべぇ…」
深雪「どうしたの?宏樹」