驚き
私の名前は相楽 深雪
桜女子学園に通っている小説家の平凡な女の子。
好きな人はいない。
好きなことは小説をかくこと。
それが私の中での密かな楽しみだ。
私が書いている今の小説の舞台は平凡な女の子の実話のお話だ。
主人公はもちろん私。
もちろん、名前は変えてある。
その子の名前は《田城真奈美》(たしろまなみ)
この子は恋愛経験が一切無い、全く知らない女の子…という設定だ。
先輩や後輩、幼馴染と学校一の秀才や女好きな男の子との恋の物語。
そんなこと言ってるが実話だから本当に体験しないと分からないことだ。
まぁ……ね?
ちゃんと、人は決まっているのだが…幼馴染しか決まっていない。
その人に任せられるかが一つの難点と言えるだろう。
でも、その相手には一応小説のモデルになったということだけ伝えておいた。
オッケーをもらえるかどうかはまだ分からない。
そして、いまこのことを考えている場所は……………学校の屋上だ。
深雪「はぁぁぁぁぁ」
私は長いため息をついた。
今は三時限目が始まろうとしている。
小説のネタが浮かび上がってくるのは確かなものなのだが、誰でもいい…というわけでもないな。
深雪「どうしようかなぁぁ…?」
そういった時、後ろのドアのほうからキィという音が聞こえてきた。
誰かか来たんだろう…
そう思って後ろを振り向いてみた。
入ってきたのは、私の担任の先生の《柏木 悠子》(かしわぎ ゆうこ)だった。
私の一番苦手な先生の一人だ。
柏木「あら?相楽さんどうしたんですか?もう授業始まりますよ?」
そんなことくらい十分分かってるつもりだ。
呼びに来てくれるならもう少しマシな先生が良かったのにな、と心の中で呟いた。
先生の質問に答えようとしたが、躊躇した。
なぜなら、先生と話すと口が腐るという噂が、この学校で囁かれている。
みんなに広めたのも私。
そうすると、小説に役に立つなど思っていたが、案外大きな問題になってしまった。
PTAのほうで話し合った結果、今後二度とこんなことがおきない様にとなってしまった。
もちろん、このことも小説に載せた。
こういう教師がいたら面白いだろうなぁ…みたいな感覚でやってしまったのが間違いだったのだろうと深く反省してきたつもりなのだが…。
そんなことがあっても、私はその柏木先生が大嫌いだ。
そんなことを考えていた私は、思考回路を停止し、すぐさまこの屋上から出て行きたかった。
口よりまず先に体が行動をとってくれたため、早く屋上から出て行くことができる!!と思っていた。
私が柏木のよこを通り過ぎたとき、柏木先生の口元が少しだけ上がっているように見えた。
すると、柏木先生は驚きのことを舌に乗せた。
柏木「ふふふ!漸く貴方みたいな人がこの学園からいなくなるのは、さぞかしうれしいものね。夢にも思わなかったわ」
え?いま、なんて言った?
私がこの学校からいなくなる?
何かの間違いであってほしい。